#303 大塚国際美術館に行ってみた。(2021.8)
大塚国際美術館は徳島県鳴門市にある「陶板名画美術館」です。館内には世界26か国にある1000点ほどの名画のレプリカがほぼ同じ大きさの陶板で複製されています。中には、オリジナルが現存していない名画が陶板で再現されていたりします。
コンセプトは「日本に居ながらにして世界の名画が体験できる」こと。そのため、日本人の芸術家の作品は置いてありません。私のように、「海外旅行が好きで、美術館で名画を見たい。でも、今はなかなか海外に行けない…」
「大塚」と言う名前からもわかる通り、大塚グループが設立した美術館です。美術館のすぐ近くには大塚グループの建物がちらほら…。
宿泊した鳴門市の宿の自販機も、もちろん大塚ブランド。さすがホーム。笑
私たちが大塚国際美術館を訪れた日は、大型台風が通過した直後でした。行けないかもなぁ…って思っていたら、雨も上がってラッキー!!風は強いですが、美術館も開館するみたいだし、良かった!!駐車場まで車で向かいます。
駐車場からはシャトルバスで美術館前まで移動しました。
入館料は一般3300円、大学生2200円、小中高生550円(2021.8現在)でした。私たちは宿でチケット付き宿泊プランを利用したため、その場で買わなくても大丈夫でした。並ぶ必要がないですし、チケット付きプランのある宿を選ぶと良いですよ。
館内は地下3階、地上2階の合計5階建てです。チケット売り場のある正面玄関から長ーーいエスカレータで上がっていくところが地下3階で、だんだん上がっていく構造です。
地下3階
地下3階に着くと、システィーナ礼拝堂が迎えてくれます。ヴァチカン市国で見た、あの光景です。財布を盗まれて、絶望の中見た、あの光景です。号泣
大塚国際美術館のシスティーナホールはつい数年前に一気に有名になりました。その理由は、紅白歌合戦で米津玄師さんがここで「Lemon」を歌ったからです。徳島県出身の米津さんならではの中継先だったのでしょうね。
Lemonのジャケットも陶板になっていました。
地下3階は古代中世の作品が中心で計230点ほどが展示されていました。
こんな顔出しパネルがあるのも地下3階です。(顔の部分をずらして撮るタイプなので、おひとり様でも名画に入り込める仕様になっているのがイイ!)
地下2階
地下2階はルネサンス期やバロック期の作品が250点ほど展示されています。地下2階から見るシスティーナホールもオススメです。
モネの大睡蓮や、
ジヴェルニーのモネの生家にあった庭とかがありました。オリジナルと違うところはあるけれど、一堂に集めてあるって言うのがただただ素晴らしいのです。
フェルメールの間がありました。
『牛乳を注ぐ女』とか、
『真珠の耳飾りの少女』とかが間近で拝めます。フェルメールの描くコバルトブルーって本当にキレイですよね。だからか、フェルメールの間は青を基調としていました。
フェルメールと同じオランダ出身の芸術家と言えばレンブラント!代表作の『夜警』が展示されていました。
ルーブルに行かなくても、大塚国際美術館に行けばダヴィンチの代表作の『モナリザ』に会えます。ルーブルは防弾ガラスの前の上、近くに寄れませんが、ここなら近くでまじまじと見ることができます。
オリジナル(↑)よりも発色がクリアになっているのは、レプリカならではですね。
『最後の晩餐』の修復前後が同じ間で見られるのもレプリカならではでした。こちらが修復前。何となく、映画の『ダヴィンチ・コード』を思い出しました。イエスの隣はやはり女性に見える…。
こちらが修復後で、ミラノにある教会の壁画の現在の状態がこれです。現地では予約制かつ15分間交代制で、時間になると強制的に追い出される上、写真撮影厳禁です。
ルネサンスと言えば、ボッティチェリも忘れてはいけません。『ヴィーナスの誕生』もイタリアに行かなくてもここで見られますよ。
そうそう、地下2階で私が一番心を奪されたのはフセペ・デ・リベーラのこの作品。
『髭のある女』と言うタイトルで、実在した女性をモデルにしたらしいのですが、よーく見ると髭が生えています…。何か、色々と衝撃的で惹きつけられてしまい、この作品を見に、トレドに行かねば!!!と思った私なのでした。(もちろん、性差別的な意味はございません)
地下1階
地下1階はバロック期10点に対して近代の作品が約330点も収蔵されています。目玉はゴッホの『7つのヒマワリ』の間。
ヒマワリ①(左)はアメリカ(個人蔵)にあるそうです。ヒマワリ②(右)は通称「芦屋のヒマワリ」で、兵庫県芦屋市の実業家の家にあったものですが、残念ながら1945年に空襲で焼失してしまいました。他の作品と違って壁に固定してあったことが仇となり、動かすことができずに焼けてしまったのだとか…。個人的には背景の青色がヒマワリを引き立てていて好きですね。この「芦屋のヒマワリ」は2015年の名探偵コナンの映画で登場しているようですね。
ヒマワリ③(左)はドイツ・ミュンヘンにある美術館ノイエ・ピナコテークに、ヒマワリ④(真ん中)はイギリス・ロンドンのナショナルギャラリーに、ヒマワリ⑤(右)は東京のSOMPO美術館に収蔵されています。
SOMPOのヒマワリはバブル期に53億で落札したものらしいですよ。バブリー!!この画像はオリジナルですが、撮影オッケーなところも太っ腹ですねー。
ヒマワリ⑥(左)はアメリカ・フィラデルフィア美術館に、ヒマワリ⑦(右)はオランダ・アムステルダムのファン・ゴッホ美術館に収蔵されています。こうやって、幻のヒマワリを含めた全7作品が一同に集まれるのも大塚ならではですね。
大塚国際美術館には、ゴッホの代表作の『星降る夜』もあります。この作品、オルセーで現物を見ましたが、キラキラしていて素晴らしかったんです。日本でまた拝めるなんて夢のようです。
クリムトの『接吻』はウィーンで見逃したから、ここで見られて良かったです。
ムンクの『叫び』、発見!
ミレイの『オフィーリア』は、シェイクスピアのハムレットに出てくるヒロインを描いたもの。悲劇を描いた作品とは思えないほど、オフィーリアの周囲の植物が美しかったです。
クロード・モネの『ラ・ジャポネーズ』はボストン美術館に収蔵されており、いつか見に行きたいと思っているほど大好きな作品です。モネ夫人のカミーユが着物を着て舞う姿が可愛らしすぎます。親日家モネならではの作品ですね。
モネの『日本橋』もありました。これはオルセーで見たことあるなぁー。
モネと名前が似ているマネの『笛を吹く少年』。実際、モネとマネは当時間違えられたこともあったとか…。笑
同じくマネの『フォリー=ベルジェールのバー』は最近「来日」していて見に行ったなぁー。
スーラの『グランド・ジャッド島の日曜日の午後』は、中学校の美術の教科書に載ってたなぁ。
ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』はルーブルに所蔵されている大好きな作品ですが、これは珍しくレプリカの出来がイマイチでした。実物は迫力すごいですよ。これはルーブルに見に行きましょう。笑
キリがないので、地下1階の紹介はこれでおしまいとします。こちらもルーブルにあるアングルの『オダリスク』です。初めて知ったのは中学の美術の教科書で、布地の質感の再現が素晴らしいと思った記憶があります。
ルーブルのオリジナルは暗くて高い所にあるため、細部まで見られないのが残念だったんですよ。大塚でしっかりリベンジできて良かったです。
1階
地下1階でテンションMAXとなったので、1階以降は一気に行きます。1・2階は現代美術が100点ほど展示されています。1階の目玉はピカソの『ゲルニカ』です。作品の前に休憩スペースがあるため、座ってじっくり見ることができます。オリジナルはスパイン・マドリッドの『ソフィア王妃芸術センター』にありますが、そちらではゲルニカのみ撮影NGです。大きさもほぼ原寸のように見えました。
2階
ピカソの『青の時代』の作品も充実。個人的にはこの頃のピカソの方が好みですね。
レンブラントも充実してました。結構端折って、ここまで来るのに2時間半でした。中にカフェもあるため、時間があれば休憩しながらのんびり廻ることをオススメします。
地下3階にあるミュージアムショップで色々買いました。ひまわりのピンバッヂもGET。
大満足!!!
駐車場までのシャトルバスをここで待ちました。
この後はうず潮を見に行きました。大塚国際美術館内にこんな表示があるため、美術に触れた後に行くのにオススメです。このことについてはまた次回書きます。