世界流離日記

『世界流離(さすらい)日記』と読みます。海外旅行での喜怒哀楽の経験を中心に投稿していきますのでよろしくお願いします。なお、このブログの無断転載および画像の無断使用は禁止とさせていただきます。

#211 ローザンヌでアールブリュット・ジャポネに行ってみた。(2019.2)

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アールブリュットの日本人アーティスト展へ行ってみたシリーズ第2弾。

 

 

すみません、気がつけば最後の更新から1ヶ月以上経ってしまいました。この1ヶ月、転居やら転職やらでバタバタしておりまして…。

 


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ということで、2月半ばにスイスのローザンヌにある、アールブリュット美術館に行ってきました。ここを訪れるのは2回目ですが、目的は日本人アーティストの特別展。2019年の4月20日まで見ることができますので、今ならまだ間に合います。笑

 

 

2年半前の訪問についてはコチラ。


 

行き方を簡単に紹介。前回はスイスパスという無敵の公共交通パスがあったのでローザンヌ駅から地下鉄で向かいましたが、今回はケチって歩きました。笑

 


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ローザンヌ駅の北口(インフォメーションセンター近く)に出ました。この五輪マークが目印。そう、ローザンヌにはIOCの本部があるんです。

 


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話は逸れますが、地下鉄ローザンヌ駅を南に行ったところにあるウーシー駅前には次のオリンピックまでのカウントダウンのモニュメントがあります。前回はリオ五輪開催中でしたが、今回は東京五輪までのカウントダウンが行われてました。

 

 

で、ローザンヌ駅北口を出て、左側にひたすら上ります。で、右折して、大きい橋を渡ります。大まかに言うとこんな感じです。私は北口から直進して迷いかけたので、北口から直進ルートはオススメしません。たぶん駅北口から左折コースの方が道が単純です。なお、ローザンヌ駅のインフォメーションセンターでもらえる地図上にはアールブリュット美術館が確かに載ってるのですが、途中でその道が街の説明で消えてるんです。たぶんみんなが地下鉄を使うからなんでしょうけど。てことで、みなさんも地下鉄で行くと思うので、徒歩での行き方の説明はこんなんでいいですよね?詳しく知りたい方はコメント欄へどうぞ。笑

 

 


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とにかく、橋を渡り、上り坂を北上して丁字路にぶつかったら左折、そして左手に見えるのぼり旗が目印です。

 


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こちらがアールブリュット美術館です。地元では結構有名なようで、道を尋ねたときもすぐにわかってもらえました。なお、某歩き方にも載っています。入館料は11フラン。無料のロッカーがあるので、そこで貴重品などを預けられます。私のバックパックは大きすぎて入らなかったため、入場券売り場の横に剥き出し(セキュリティー)で預かってもらえました。なお、入場券売り場手前にしかミュージアムショップ(と言ってもポストカード類と画集のみ)はありません。

 

 

この美術館、2年半前と比べて大きく変わった点が2つありました。

 

 

1つ目は写真撮影が可能になったこと!!以前はすべてNGでした。あ、もちろんフラッシュ撮影はダメですが。

 


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おぉ、2年半ぶりのローザンヌ先輩こと、Aloïse Corbazさん!ローザンヌ出身の彼女の作品は男女が登場する愛溢れるものばかりなのです。

 


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そして、鉄拳先輩こと、Adolf Wölfliさんの作品も健在。

 


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2016年8月当時は知りませんでしたが、彼はアールブリュット界ではかなり有名な方なんですよ。日本国内のとあるアールブリュットの講演で彼の絵が出て来た時に、私は思わず『鉄拳先輩!!』と叫びましたよ、心の中で。笑

 


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私(とKさん)が鉄拳先輩と呼ぶ所以は、彼の絵に必ず登場する謎の顔。パラパラ漫画芸人の鉄拳に似ていると言うことで私たちの間では鉄拳先輩とリスペクトを込めてこう呼ばせていただいております。美術館学芸員による、彼の説明文にも『彼の作品にはマスクをつけた男が必ず描かれており…』とありました。笑

 

 

あとは、私の大好きな巨匠の作品を探しました。が、見つかりませんでした。こちらが2つ目の変更点です。残念。ミュージアムショップで作品集を買おうとしたら、それも売り切れ。2年半前は荷物に余裕がなくて買うのをやめたのですが、やはり超過料金を払ってでも日本に持って帰るべきだったか。号泣

 



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こちらが2年半前のパンフに載っていた、巨匠こと、ヴィレム・ハンク氏の作品。本当に細かくそして忠実に描かれているんです。『東京駅』は本当に素晴らしかった。実は彼、アールブリュット界で最高額の売値がついた方でもあるんですよ。

 

 

4階建てのこの美術館では、2階の一部で特別展が催されています。入場券があればそのまま見ることができます。そういえば、2年半前も何か特別展が開催されていたなぁー。

 


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今回の特別展は日本人の作品です。ジャポンの文字に、心踊ります。

 


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なお、私が日本人だとわかると、チケット売り場でお姉さんから日本語のパンフレットがもらえました。

 

 

アールブリュット美術館では、犯罪歴のある方や病気を患っている方の作品が経歴と共に紹介されているのですが、日本人アーティストの特別展では主に障がいをもっている方の描いた作品が展示されてました。

 

 

ここからは、特に素晴らしいと思った作品を紹介していきます。

 


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ホットボンドグルーガンで色を重ねて作られた、野本竜士さんの作品です。溶けたところも、色が重なったところもいい味を出してました。こういうパーティーグッズ、昔ありましたよね?スプレーで出すやつ。接着剤が画材になるっていう発想がすごいなー。

 


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見よ、この躍動感を!!ここからだと鳥に見えますが、角度から変えるとまた違って見えるのも面白い作品たちでした。

 


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こちらはミルカさん作の鳥の絵なのですが、注目すべきはその背景。細かく音符が描かれているのです。絵から鳥のさえずりが聞こえてきそう。

 


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続いて、田村拓也さんの作品。正方形に縁取ってから、マーカーでパッチワークのように丁寧に塗られています。何となく、エルマーの大冒険を彷彿とさせる色合いに優しい気持ちになります。

 


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こちらが私のイチオシ!小林一緒さんの食べ物絵日記です。その日に食べたものを覚え、絵に描くということを何十年も続けているそうです。イクラやウニの軍艦でも色々な種類があるんですが、それを細かく頭の中で(説明文では『特別な覚え方で』みたいな表記がありました)記憶してきて、完全再現。感想まで添えられてます。私が板前さんなら、こんな素敵に描いてくれたら嬉しいかぎり。

 

 

最近では食べる前に写真に納めて満足しがち(私もたまにやるのでその行為を否定するつもりはありません)ですが、目で見て楽しんで、食べて味を楽しんで、それを記憶のあるうちに絵に描いて残すってのも素敵だなぁ。私にはそんな才能も記憶力もないから到底できないですが。こういう特殊能力のすごさに圧倒されるのも、アールブリュット展の面白さなのです。どうやって記憶しているのでしょうか?カメラアイ(瞬間記憶能力)の持ち主かなぁ?件の巨匠も、写真がポピュラーでない時代に、日本語の看板をそのまま書き写していたので、もしかしたらカメラアイを持っていたのかもしれません。いやはや、すごい才能です。

 


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日記なので、当然実在するお店ばかりなわけですが…。ショーケースに入っていたため、残念ながら他のページを見ることはできませんでした。が、彼の作品には心を奪われた私は思わず隅から隅まで何度も何度も見返しました。他にお客さんがほとんどいなかったからできたことですが、たぶん彼らの目には『熱心なジャポネがいるなぁ』と思われたことでしょう。何と言うか、写真に納めても満足できなくて、目に焼き付けたかったんです。本当に素晴らしかった。日本でも作品を見てみたい!

 


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大倉史子さんの作品は、雑誌などを切りぬきを組み合わせたコラージュです。大好きなものや人をはさみで切ってからテープでつなげており、中にはお友達?の名前が何度も書かれていたりするものもありました。まさかローザンヌで吉澤ひ〇み元メンバーに会うとは思いませんでしたよ。笑

 


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最後に、今回のパンフ表紙絵のこちら。ストレンジナイトさんの作品は布などの素材を色々組み合わせて仮面を作っているのですが、彼はこの展覧会の開幕前に残念ながら亡くなってしまっています。彼には、さまざまな国と地域の人がここローザンヌで日本人の作品に魅了される姿を見ていただきたかった。それが叶わなかったのは残念です。

 


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日本人アーティストの特別展は2019年4月20日で終了ですが、アールブリュット美術館自体はいつも開館しているため、世界中のアールブリュットアーティストによる常設作品は見ることができます。2年半前とほぼ作品が入れ替わっていたので、何度足を運んでも楽しめると思います。ローザンヌに行かれた際は是非!!はるばるパリからほぼ日帰りで訪れた甲斐がありました。