世界流離日記

『世界流離(さすらい)日記』と読みます。国内外の旅行での喜怒哀楽の経験を中心に投稿していきますのでよろしくお願いします。なお、このブログ上の画像の使用は禁止とさせていただきます。

#267 続・山下清原画展に行ってみた。(2020.9)

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昨年末に湯布院の山下清原画展に行って以来、清画伯の作品に魅了されてしまった私なのですが、実は岐阜県高山市にも山下清原画展があるのです。ずっと行きたかったのですが、コロナ云々もあったりでなかなか行けず、最近ようやく念願の訪問が叶いましたのでその報告をさせていただきます。ちなみに、湯布院は撮影NGでしたが、高山は撮影OK(でもフラッシュ撮影はNG)でした。

 

 

湯布院の様子はこちらをご覧ください。規模はほぼ一緒です。 



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入館料は1人700円ですが、JAF会員は割引があるようです。山下トンネルを抜けて、いざ中へ!!画伯の原画が116点展示されているとのことです。わくわく♪

 


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「日本のゴッホ」こと山下清(以下、画伯)は「裸の大将」で有名な画家で、ちぎり絵細工のイメージが強いですね。

 


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でも、実はペンでも絵を描いていたりします。湯布院では桜島のペン画がたくさん展示されてましたが、高山では三重県夫婦岩のペン画がありました。

 


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3歳の頃にかぜが悪化して命の危険に陥り、軽い言語障害、知的障害の後遺症を患いました。白ランニングシャツに短パンがトレードマークの彼の有名な台詞である「お、おにぎりが、す、好きなんだな」がどもっているのはそう言う理由があるんですね。

 


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その後、知的障害児施設の八幡学園でちぎり絵細工と出会い、才能を開花させました。原画展に書いてある説明によると、はさみを持たせるのは危険だと言う理由で学園ではちぎり絵をやらせていたようです。

 

 

そんな彼は18歳の時に突如学園を脱走し、1940年~1955年まで放浪(以下:るんぺん)をしました。その理由は徴兵検査を受けたくなかったからのようで、何度か連れ戻されてはるんぺんを繰り返しました。(結局、知的障害のため兵役免除となったようです)

 


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こちらが画伯がるんぺんを繰り返した際の反省文です。湯布院でもありましたが、高山にもコピーがありました。以下、原文ママですが、仮名遣いのみ現在の表記にしました。

 

 

僕は毎日毎日うろうろして

遠い所迄歩いて行ってるんぺんをして居るのは

自分でもるんぺんと言う事はよく成いと言うのは知って居て

るんぺんをして居るのは自分のくせか自分の病気だろうと思うので

毎日うろうろして歩くのはくせか病気だから

くせか病気は急になおら無いから

だんだんと其のくせをなおそうと思って居るので

今年一ぱいるんぺんをして来年からるんぺんをやめ用と思って

学園の先生とそうだんをしたので

幾らくせでもなおそうと思えば今からでもすぐ其のくせがなおると言われたから

今度からるんぺんをするのを思いきってやめ用と思います

もしるんぺんをした場合は病気と思われてもかまいません

昭和29年4月11日 山下 清

 

 

るんぺんへの未練タラタラな感じが伝わってきますね。まぁ、昭和29年=1954年なのでこの後もるんぺんするんですけどね。笑

 

 

画伯のすごい所は所謂カメラアイの能力を持っているところで、るんぺん先ではほとんど絵を描くことがなく、学園や実家に帰ってから記憶をもとに描いているんですって。

 

 

細かいところまでしっかり覚えていて、すごいですよね?画伯の作品は実際間近で見ることをオススメします。ほんと、素晴らしい!!の一言ですよ。

 

 

そんな画伯は1971年に49歳の若さで脳出血で亡くなりました。原画展の説明によると、最期の言葉は「今年の花火はどこへ行こうかな」だったそうです。

 


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確かに、画伯と言えば花火画!!隅田川諏訪湖、長岡などの花火大会の様子を描いた作品がたくさんあり、画伯は花火大会を実際に見に行っていたようです。花火をたっぷり現地で堪能した後、家で余韻に浸りながらちぎり絵を作る画伯の姿が目に浮かびます。

 


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ちぎった紙を貼るのは紙の上だけではありません。

 


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ちぎり絵だからこそ、レコードも作品となるのですね。

 

 

では、ここら辺で、私が気に入った作品を一気にいくつか紹介します。

 


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うーん、写真ではなかなか伝わらないのがもどかしい…。



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ほんと、まじまじと作品を見てしまいました。ずっと見ていられる。

 


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山下トンネルの前にお土産コーナーもあり、湯布院では売られていなかった画集がこちらではあったので購入しました。

 


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で、不思議なことに、この山下清原画展はガイドブックには全く掲載されておりません。何種類かのガイドブックを確認しましたが、なぜか未掲載。こんなに楽しいところなのに、わかってないなって感じです。まぁ、逆に知る人ぞ知る穴場的な存在なのもいいですがね。でも、もっと知られて、たくさんの人に画伯の作品を見てほしいという想いがあります。気になる方はHPをチェック!コロナの関係で短縮営業しているようです。JR高山駅から徒歩圏内ですが、自動車で向かう場合は専用駐車場がないため、近くのコインパーキングに停める必要があるのでご注意を!山下清なりきり撮影スポット」をやり損ねたので、またいつか再訪しようっと。笑


 

最近、職場で画伯の話をしていたら、長野県の諏訪湖近くには放浪美術館があると教えてもらいました。同僚曰く、ベンチに座る画伯と写真が撮れるとのこと。行きたい・・・・。るんぺんばかりしたくなる私も恐らく病気です。むしろ、病気と思われても構いません。笑

 

 

そういえば、るんぺんは相変わらずちょこちょこしつつも、ブログ更新をずっと怠ってました。すみません。すぐに書きたいことを書かずにるんぺんばかりしてしまうのは自分の癖か病気だと思うのですが、いくら癖でも直そうと思えば今からでも直せると思うので今日から頑張ります。

令和2年10月20日 mura306