#215 アンコール遺跡弾丸ツアーに参加してみた。(2013.3)
前回の続きです。2泊3日のバンコク発の21500円シェムリアップツアーですが、1日目は夕方に到着し、3日目は朝食後に国境に向かったのでアンコール遺跡群の観光は正味1日でした。たった1日でアンコール遺跡群を廻れたのか?今回はそのことについて書こうと思います。なお、前回彗星のごとく突然登場した大学生ダイチ(仮名)の小話は小さい文字でこっそり書いておきます。笑
6:00 ①アンコール・ワット
これはオプショナルツアーでしたが、日本人4人(私+Iさん+ダイチ+ミユキちゃん)でトゥクトゥクをチャーターしてアンコール・ワットに向かいました。まだ真っ暗な5:00に宿を出て、5:30頃到着。
そして、一日入場券を購入(2013年現在20米ドル。今は37米ドル。高っ!)。写真はその場で無料で撮影してくれます。このアンコールパスがあれば、ワット、トム、タプロームなどの有名どころは廻れます。ただの紙素材なので、雨季はネームホルダーとかで防水対策するといいかもしれません。
アンコールワット前の池に陣取ろうとしました。が、既にすごい人。みんな、朝日を見るために、早起きしたんだなぁ…。5時から入場できるみたいだし…。
何とか場所を確保し、徐々に明るくなる空を眺めながら、朝日が昇るのを待ちました。
おぉー。何て神々しい朝陽なのでしょう。逆光により黒く浮かぶアンコールワットがいい感じ。
この日は春分の日の翌々日くらいだったのですが、真裏から昇ると言われた太陽はやはり少しずれてました。ここまで計算できた先人の知恵にあっぱれです。
アンコールワットで朝日を拝んだあとは、朝日に照らされる建物と写真を撮りました。朝日と遺跡とのコラボは、何気ないポーズでも青春写真のように撮れます。建物内に自由に入ったり、上ったりできるので、今ならインスタ蝿たちがたくさん集まっているのかな?笑
朝はまだ涼しいのでトゥクトゥクでも十分廻れました。
運転手さんのベストに書かれている番号を控えておくと万が一の際に便利です。
朝食
宿の朝食はいくつかのメニューから選べました。
8:30 弾丸ツアー開始
8:30に乗用車で宿からベンメリアに向けて出発(ミユキちゃんは別行動)しました。
道中、ダイチはI姐さんの肩にもたれて大口開けて爆睡という無礼行為をしでかします。姐さんに失礼だぞ!笑
9:45 ②ベンメリア
9:45にベンメリアに到着しました。
7つの首を持つ蛇神ナーガに迎えられます。
ベンメリア(Beng Mealea)はシェムリアップ中心部から車で1時間ほどの距離にあり、遺跡発見時から現在まで修復が一切されていません。
アンコールワットが12世紀初頭に作られたのに対して、ベンメリアは11世紀末と言われており、アンコールワットの試作品とも言われているとの噂。
この朽ちた廃墟のようなお姿から、天空の城ラピュタのモデルと言われているそうですよ。私はよくわかりませんが、似てますかね?笑
トカゲ、発見。
なお、ベンメリアはアンコール遺跡群の共通入場券(アンコールパス)では入れないため、別料金(5米ドル)を支払わないといけませんので要注意です。
シェムリアップでは、観光名所に子どもたちがいます。遊んでいるだけの子もいますが、カンボジア人は遺跡への入場が無料なこともあり、子どもガイドが案内しているのを見かけました。
敷地内で地雷撤去の看板を発見。まだまだ内戦の爪痕は残っているんだなぁ…。ベンメリアの倒壊も内戦が原因だと言われているし…。
12:30 昼食
アモックという、魚のココナッツミルク蒸しを注文。カレーみたいに食べやすくておいしかった。
料理が運ばれる前にダイチがサブバッグからパソコンを出してきました。彼はバックパックだけでなく、スーツケースを持って入国しており、やたらと荷物が多いなぁと思っていましたが…。PC持参ってことはまさか、旅する有名ブロガーなのか?と思いきや、『僕、W大に通っているんですけど、今日中に来年度のガイダンスを申し込まないといけないんです。』と言うダイチ。さすがは難関大学生。しかし、友人に頼むとか、旅程をずらすとかできなかったのかね?しかも、Wi-Fi環境が悪く、常にパソコンを持ち歩いていたのに結局道中で申し込めなかった(タイ帰国後に申し込めたはず)のがダイチなのです。ついでにこの後のことを言うと、彼は一眼レフを持っていたのですが、写真データをパソコンに取り込めばいいのにSDカードを大量に持ち歩き、容量不足には備えていたのにもかかわらず自慢の一眼レフのバッテリーが切れて使えなくなりましたとさ。笑
13:45 ③タ・プローム
タ・プローム(Ta Prohm)は1186年に建てられた仏教寺院で、現在はヒンドゥー教寺院となっています。
ここの見どころは何よりも寺院を包み込むような樹木。寺院と樹木の共存と言うべきか、樹木の浸食と言うべきか…。アユタヤ遺跡とはまた違う、この神秘的な光景は、どうやら天空の城ラピュタのモデルとなったらしいですよ。あれ?それはベンメリアなんじゃないの?笑
14:15 ④アンコール・トム
アンコール・トム(Angkor Thom)はアンコールワットの造営から半世紀後にできた都で、「大きな町」という意味があるそうです。名前の通り、とにかく広い!
その中心にあるのが、バイヨン寺院。
バイヨンの名にピンと来ない方も、この顔には見覚えがあるのでは?四面塔には、四方向に「クメールの微笑み」と呼ばれる微笑の菩薩の顔があります。それが合計54塔もあり、顔がそれぞれ微妙に異なるのです。
本当はレリーフ等をじっくり見たかったですが、時間の関係でじっくり見られなかったのは少し残念。あと、逆光の関係でアンコールトムは午前中、アンコールワットは午後に行くのがオススメだと、アンコール通のI姐さんが言ってました。今回の弾丸では午前中にベンメリアに行ったため、致し方ないですね。でも、私はトムにてそこまで逆光の不便さに悩まされませんでした。
15:00 ⑤アンコール・ワットアンコール・ワット(Angkor Wat=大きな寺)は東西1500m、南北1300mの塀で囲まれており、名前の通り巨大なヒンドゥー教寺院です。ワット=寺院がタイ語との共通点があるのが不思議で面白い。
そうそう、これが見たかったんですよ。一部、幌がかかっているのが残念ですが、午後だと日光がいい感じにワットに差し込んでいいですね。
入口に向かう途中で見かけた看板には、日本政府による修復支援について書かれてました。
二重になった回廊にはヒンドゥー教の世界を描いたレリーフがひたすら続きます。
第三回廊は登ることができます。以前は遺跡にある石段をよじ登っていく感じだったようですが、危険なため現在は手すり付きの安全な木の階段となっております。が、すごい数の観光客が頂上を目指すため、何か起きたらドミノ状態になりそうで私は怖かったです。笑
第三回廊からの眺めはこんな感じ。ここは王様だけが入ることを許された空間だったようで、当時の王様もこんな景色を楽しんでいたのかな?
十字回廊(第一回廊と第二回廊の間)にある落書きは、1632年に森本右近太夫一房が書いたもの。アンコール遺跡は今から150年前にフランス人学者が密林の中から偶然発見したと言われていますが、江戸時代には既に日本人がこの遺跡に足を踏み入れていたことにびっくり。
17:00 ⑥プノン・バケン
プノン・バケン(Phonom Bakheng)は、サンセットの名所で、高台から眺める夕陽を見るためにたくさんの人が集まってきます。
象に乗って丘のてっぺんまで行くこともできるそう。なお、2013年当時と比べて2019年現在は入場の人数制限がされているので要注意です。
頂上からは、先ほどまでいたアンコールワットを拝むことができました。少し霧がかっていて、ますます神秘的でした。
ようやく座れるところを確保し、夕陽が沈むのを待ってるときに、たまたま隣にいたのが日本人の大学生らしき男子グループでした。東南アジアはバックパッカー初心者が廻りやすいからか、日本人の若者が本当によくいました。
その大学生グループは『ノープランでアンコール遺跡にやって来た』というのをやたらと我々にアピールしており、隣に座っていたIさん(アンコールワット3回目)が色々話しかけてました。
『アンコールワットで朝日、見た?』
「見てないっす。午前中は寝てました。」
『宿どこ?』
「タケオゲストハウス(日本人宿)っす。」
『ランチ何食べた?』
「宿でからあげ定食食べました。」
うーん、日本と変わらんやん。笑
さらに、彼らは
『アンコールワットの朝日、綺麗だったよ。明日行ってみたら?』
「一日券、高いんすよね。明日の昼にはプノンペンに行くし…。」
『今日午後に少し遺跡巡りしただけなら、今日の夕方に一日券を買えばよかったねぇ。そうすれば、今日の夕方から明日まで使えたのに。古い情報だから今はないのかな?歩き方にそのこと書いてない?』
「マジっすか? (歩き方を見て)ホントだ…。そうすればよかった…。」
ちなみにその日は雲がかかっていて、丘から真っ赤な太陽が沈む姿は見ることができませんでした…。
うーん…。
旅行の醍醐味は人それぞれなので、彼らの旅のしかたを完全否定するつもりはありません。しかしながら、彼らは『ノープラン』の意味を完全に履き違えてました。事実、ガイドブックは買っていたのだから、それを読まずに『ノープラン』を貫いたがために観光名所を効率よく廻れないどころかほとんど廻らずに、短期旅行なのに日本にいるのと同じような生活をしてるってのは何だかもったいないなぁ。まぁ、若者は旅をするだけで楽しいので、彼らなりに楽しんでいたとは思うのですが、シェムリアップに来て、遺跡をほとんど見ずに帰るのは何だかねぇ…。やっぱり、最低限のリサーチは必要ですよ。その国の文化をある程度知っておくのも大事だし。バックパッカー初心者なら尚更。プノンペンとか治安が悪いのに大丈夫だったのかしら?私の旅仲間はただ旅行していただけなのに監禁されたわよ。笑
そう思うと、荷物がやたら多いけど、用意周到に色々準備して(はことごとく失敗して)いるダイチがますます可愛く見えてくるのです。笑
18:30 ツアー終了
宿まで戻ってきて、ツアー終了。超弾丸でしたが、大変効率よく廻れました。私たちみたいに時間がない人にはオススメです。バンコク発着3泊4日ツアーだと、もう少し時間に余裕ができて、ゆっくり廻れるのかな?現地ツアーとかもきっと宿で申し込めると思います。
我々はコチラのバンコクの旅行会社で申し込みました。
ツアーに含まれているものやカンボジアへの陸路入国についてはこちらをご覧下さい。
次回はカンボジアで食べた料理について書こうと思います。