#032 インド経由でブータンに入国してみた。後編 (2017.3)
インド経由で無事にブータンのサムドゥプジョンカに到着しました。ここからはいよいよ待ちに待ったブータンです。
3月19日午後 ブータン入国 (サムドゥプジョンカ到着)
ブータン入国後すぐにレストランにて遅めの昼食をとりました。メニューはカレー、鶏肉とインゲン豆のゴマ和え、豚の角煮、ブロッコリーを茹でたもの、山盛りごはんです。世界一辛いというブータン料理ですが、辛さを抑えてくれたみたいで、全く辛くありませんでした。私は写真中央の鶏肉とインゲン豆のゴマ和えと、その下にある豚の角煮の味が気に入りました。角煮は結構油っぽいのですが、玉ねぎをとろとろに煮込んだものが入っていて、それが甘くて絶品でした。
ちなみに食事は公定料金に含まれているので、お金はかかりませんが、アルコール類を注文すると追加料金が発生します。
レストランから出ると、ドライバー(ジャンボさん)と車が変わっていました。ドライバーが3人共通の知り合いNさんに似ていたので、そのことで盛り上がりました。旅行会社からは日本車のH-1だと言われていたのに、どー見てもメイドインコリアの〇ュンダイじゃん、これ。乗り心地にうるさい旅仲間T氏は若干ご立腹でした。笑
韓国産のバンでカリンを目指していざ出発。サムドゥプジョンカの市街地を抜けたらすぐにぐねぐね道が始まりました。 予想よりもだいぶ早かったですね。しばらくは直線の道が続くと思っていましたよ。号泣
ちなみに、ガイドのコクトさんはタシガン州という、カリンのある地域出身なんだそう。ただ、カリンにガイドで行くのは久しぶりのようで、「前ここを通ったのはいつですか?」と聞いたら「1年前だね。」という答えが返ってきました。笑
路肩には野良牛が。インド国境から逃げてきたのでしょうかね?まさかブータンでも野良牛に逢うとは思いませんでした。 笑
片側1車線のぐねぐね道ですが、この道は舗装されているし、道路幅が広いし、かなり綺麗な道です。この程度なら、私が小さい頃に住んでいた地元にあった道のレベルだし…。あとでもっとすごい国道…いや、酷道を経験します。 笑
途中でキャラの濃いおじさんを発見。なぜか車道で木を引きずり中…いや、木の散歩中かしら?通行の邪魔をしまくってました。笑
ブータンにはダルシンと呼ばれる旗が多くたなびいています。赤青黄緑白のカラフルなものや白だけのものもあるのですが、経典が書かれた旗がたなびくことで、経文を一度読んだことと同じ意味があるのだとか。翌日目にするマニ車同様、こういうチベット仏教の考えが私は好きです。
遠くを見てみると、山肌に白い線を発見。これ、よーく見ると土砂崩れの跡ですよね??
サムドゥプジョンカを出発して1時間ほどで、道の舗装がなくなりました。 写真では全く伝わらないのですが、でこぼこ道なので、体がひたすら上下に揺れます。そして、カーブの度に体が持っていかれそうになります。笑
車窓の右側を見ると崖、左側を見ると岩石がむき出しの山。 「落石注意」という看板もあったけど、注意しようがないよね?号泣
出発前にガイドのコクトさんから、「トイレに行きたくなったら早めに言って下さい。」と言われていました。出発して2時間ほどでトイレタイムを取ることに。ワゴンが止まりました。
公衆トイレなんてここブータンの山道にはないので、トイレットペーパーをもって草むらへ行きます。 青空トイレなんて、ミャンマー旅行以来です。笑
旅仲間Mさんは初体験だったようで「快感!!」と大満足でした。笑
この後も、コクトさんオススメの青空トイレスポットに立ち寄りました。川沿いの細い道を進み、川のせせらぎを聞きながらの青空トイレは何ともいとをかしでした。笑
標高が上がってきたので、外に出ると寒かったです。サムドゥプジョンカでは長袖1枚で過ごしていましたが、セーターとダウンジャケットが必要な寒さになってきました。
道幅も狭くなってきました。片側一車線のはずなのに、どう見ても一方通行の道幅ですよね? 砂埃もすごいし…。
対向車が来ました。インド産TATAのトラックです。すれ違えるか心配しましたが、ブータンの山道ではこんなの慣れっこみたいで、ギリギリのところですれ違っていました。
前日に雨が降ったのか、道がぬかるんでました。この時は乾季だったのでよかったですが、雨季に山越えをすると車が立ち往生することもあるみたいです。
更に進むと霧が発生しました。景色が見えなくなり、若干不安になります。
正面を見ると、ほぼ真っ白。大丈夫か、これ? しばらくすると一旦おさまって一安心。
木の枝やバラックで作られた家屋が時々見られました。住んでいる人の顔や肌の色から、インドから来た労働者の家族が暮らしているようでした。ブータンの肉体労働はインド人の力で支えられているようです。
再びTATA登場。
車の左側は崖ですからね。外の景色を見ていると色々不安になります。笑
ガイドさん曰く、国道(=酷道)をダイナマイトを使って道幅を広くしたり、舗装をしたりする工事が政府主導でティンプーから順に始まったんだとか。だからやたらトラック(大抵インドのTATA)とすれ違ったのかなぁと思いました。この数年で酷道はなくなってしまうかもしれない。便利だけど、快適になるけれど、ブータンの自然は失われてしまう…。ブータン人にとって、どちらが幸せなのだろうか?モンゴルのウランバートルでも同じことを考えました。
一人しんみりしていたら、T氏の提案でゲームをしようということになり、英語しりとりを開始しました。3時間くらい、3人で続けました。tennis→study→year みたいに最後尾のアルファベットを次の単語の初めとつなげていく感じでやり、「ン」で終わる英単語は使わないっていうルールでやったのですが、yで終わる単語は多いのにyで始まる単語が少ないことに途中で気づきました。そのくせ、Yemenもyenもyurnも使えないし…。途中からyで終わる単語をお互いに避けるという優しさが自然に生まれました。これぞチームワーク。yeahとかyolk(卵黄)まで使ったから、たぶんyで始まる単語は出尽くしたね。笑
17:30に友人Yちゃんとカリンのバザールで待ち合わせる予定でしたが、そもそもサムドゥプジョンカ出発が14:30頃だったこともあるし、視界が再び悪くなったりしたりで、カリンに着いたのは真っ暗な20:00頃でした。5時間以上、ほぼぐねぐね道(時々ぼこぼこ道)でした。笑
3月19日夜 カリン到着
カリンのバザールに到着したら、Yちゃんと同僚(YさんとK)が出迎えてくれました。1年ぶりの感動の再会。Yちゃん、元気そうでよかった!Yちゃんは私たちが車酔いになっていないか心配だったようです。
車で近くまで行けないので、カリンのマーケットから少し歩いてYちゃんの家に到着。重い大荷物はコクトさんやジャンボさん、Yちゃんの同僚のKが運んでくれました。この時は真っ暗でよく見えなかったのですが、翌朝改めて見ているとカリンはのどかな田舎町でした。
まずはティータイム。ブータンではジャ(インドのチャイのこと)のお供は専らビスケットです。真ん中にあるのは干し芋。
Yちゃんと同僚2人でごちそうを準備してくれていました。ありがたい。ちなみに、料理の後ろに置かれているのは、私たちが持参した日本土産の一部です。笑
昼食と違って、ノンチリではないブータン料理との初めての遭遇です。1つのお椀に好きなだけよそって食べるスタイルはミャンマーの僧侶たちの食べ方と似ていました。右側は豆のスープで、豆のやさしい味の後にちょっとだけピリッとします。左手前の唐辛子が、ブータンの国民食である「エマダッツィ」。ごはんはチュムマープと呼ばれる赤米。
エマダッツィは唐辛子のチーズ煮込みです。これはだいぶ辛いので、私はほとんど食べられませんでした。でも、どの料理も思ったよりは食べやすかったです。もっと辛いと思っていたので…。
Yちゃんはカリンの空き家を職場から手配してもらっているので、ここで一人で住んでいます。壁にチベット仏教のカラフルな絵が描かれています。
キッチンはこんな感じ。シンクの蛇口の水が止まらず、ひたすらチョロチョロと水が出ていました。 もちろん、お湯なんて出ません。
寒いから薪ストーブが大活躍。ストーブの横に大きいバケツがあるのは、お風呂用のお湯をストーブの上で沸かして運ぶためです。
トイレはブータン式。和式トイレとほぼ変わりませんが、違う点は水洗トイレではないので、自分で水を汲んで流さないといけないところです。お風呂はトイレの手前で椅子に座り、沸かしたお湯を浴びるスタイルです。昔、住宅に住んでいた時にシャワーがなかったので、浴槽からお湯を組んで洗髪をした時のことを思い出し、懐かしくなりました。
久しぶりで4人で再会し、互いの近況報告をしつつ、Yちゃんの同僚2人とも仲良くおしゃべりをして、楽しいひと時を過ごしました。翌朝はYちゃんの職場訪問をするので、日付が変わる頃には就寝しました。