#266 チェスキー・クルムロフに行ってみた。(2009.8)
チェコ2日目はチェスキー・クルムロフという街に行ってきました。
首都プラハがポーランド寄りであるのに対し、チェスキー・クルムロフはプラハから南へ、 オーストリアとの国境付近に位置します。 日本ではマイナーな観光地ですが、街全体が世界遺産に登録されている町なんですよ。
ポーランド・チェコ・スロバキアが1冊になったガイドブックのページを見ていた時に、私の目に留まったのが、このチェスキー・クルムロフでした。本の巻頭に載っていた絶景写真を見て、 「ここに行きたい!」って思ったのです。
チェスキー・クルムロフへの日帰りツアーのパンフレットがプラハのホテルにあったのでチェックイン後すぐに翌日のツアーを予約しました。
当日は朝ホテルまでツアーのお迎えが来ました。その後、この銀行前でアメリカ人の母娘2人と、日本人女性1人が乗ってきました。10時前にプラハを出発し、ツアー開始です。
よく見ると、LBBW銀行の屋根がユニークでした。笑
日本人女性は私と同じくらいの歳で、アメリカ人親子との英会話からマルタでの英語留学が終わりヨーロッパを廻っているということがわかりました。盗み聞きするくらいなら話しかければいいのですが何となくタイミングを逃してしまい、人見知りの私は話しかけることができず、行きの車内は完全無言でした。
そんな中、私の携帯が鳴りました。当時の私は中学校教師をしており、部活動でお世話になっていた他校の先生からの電話でした。本当は旅行中に仕事の電話なんて出たくないのですが、仕方なく電話を取りました。
私「はい」
他校教師『あ、先生、今大丈夫ですか?』
私「すみません、今海外なんです…。」
他校教師『えー、すごいですね!!どこにいるんですか?』
私「…チェコです…」
他校教師『えー、旅行ですか?いいですねーー。で、今度うちの学校で練習試合があるんですけど、是非一緒にいかがですか?日にちは8月〇日で、今のところ〇〇中と、××中が来ます。それから…』
私「あの…。今手元に部活動予定表がなくてわからないので、副顧問のKの電話に掛けてもらってもいいですか…?」
他校教師『あ、そうなんですか?わかりました、そうします。失礼しまーーす♪』
…。
せっかく現実逃避で海外に来たのに、お前の電話のせいでぶち壊しだよ!『どこにいるんですか?』じゃねーよ!!海外にいるって私が正直に答えたのは、旅行自慢したいからじゃなくて、金かかるから早く切りたかったからだなんだよ!!!察しろよ!!!!
察・し・ろ!
と、怒りに震えた後は、車窓の田園風景にもそろそろ飽きてしまい、1時間くらい爆睡しました。が、中央分離帯のない片側1車線の高速道路で、隣の反対車線に入り、遅い車を追い越すのを見て、私の目は覚めました。追い越しをしてる時に、対向車が来るのが見えるとドキドキものでした。だって、スピード150kmとか出てますからね?今なら途上国で見慣れた光景ですが、当時の私にはこのチェコでの追い越しは衝撃的で、ハラハラしましたね…。
そんなこんなでチェスキー・クルムロフ到着。 楽しみだなー。
すぐにレストランに向かうと言うことで、そこまでを歩いたのですが、その時にマルタ帰りの日本人女性と会話をしました。どちらから話しかけたかは忘れましたが、今更ながら自己紹介をしました。まぁ、お互いにアメリカ人親子に自己紹介しているのを盗み聞きしていたので知っていたんですがね。笑
その女性はHさんと言い、神奈川在住の看護師さんでした。年齢は私より少し上なのですが、とても気さくで話しやすい方なのと、趣味や好みが似ていてすぐに意気投合しました。そして、Hさん、かなりの美人さんなんですよ。笑
レストランではランチが選べました。Hさんはこれをチョイス。おいしそーー。
一方、私が選んだのはジェノベーゼパスタなのですが、上にかけられたチーズが途中からくどかったかな。そもそも、見た目もイマイチですね。笑
で、昼食後は、30分ほど自由時間があり、2人で写真を撮りに街を歩きました。そう、2人とも写真好きと言う共通の趣味があったんです。
橋を渡りました。
チェコ名物、マリオネットおじさん、発見。
私はプラハのカレル橋上でマリオネットおじさんの演奏を聴きましたが、Hさんは出会えなかったそうで、ここで出会えて嬉しそうでした。
ボリウッドの撮影現場にも遭遇。この時は2年後にインドを旅するとは思わなかったなぁ…。笑
そして、チェスキー・クルムロフ城の中に入る時間になりました。チェスキー・クルムロフ城は13世紀に建てられ、その後次々と増築が行われたようです。わかりにくくて申し訳ないですが、この画像の左部分が最古の建物(フラーデクHrádek)です。
お城のお堀にクマ4匹がいたのがびっくり。少なくとも18世紀からいるそうです。名古屋城のお堀にはシカがいますが、こちらはクマなのですね。笑
お城の中を広末涼子似の城案内ガイド(チェコ女性は卵型の輪郭に薄い唇を持った、広末似の顔立ちが多いような気がするのです。笑)に案内してもらいました。 このガイドさん、台詞を暗記しているからか、目をつぶりながらひたすら説明くれました。時々ため息をついたり、過呼吸にでもなったかのように思いきり息を吸ったりして、私たちを不安にさせました。彼女、何かが憑依してないかね?笑
城内はこんな感じでスロープになっていました。
窓を覗くと、オレンジ屋根が見えてきました。これから一番高いところへ行った後のことを思うと胸躍ります。
で、お城を上り終えたとき、プラハとはまた違った美しい景色が待ち受けていました。
これですよ、私が見たかった絶景は。相変わらずオレンジ色の屋根の建物が並び、緑や川と上手く調和されてて、ひたすら感動。
先ほど歩いていた橋がこんなに小さく見えました。ちなみに、この川はヴルタヴァ川つまりモルダウ川です。
絶景に大満足し、プラハに戻る時間になりました。帰りは、行きの車内3時間の沈黙が嘘のように、Hさんとひたすらしゃべりました。 仕事話やら恋バナやら…。アメリカ人親子にも「あなたたち、とても仲いいね!え、今日出会ったばかりなの?」と驚かれるほど。笑
で、あっという間にプラハ到着。20時近いですが、まだまだ明るかったです。
せっかくなので、夕食を一緒にとることに。本当に、Hさんとこんなに仲良くなれるなんて思わなかったです。
チェコってビールが安くておいしい国らしく、Hさん曰く1杯150円位なのだとか。私はお酒がほとんど飲めない体質なのですが、Hさんに一口もらった黒ビールは飲みやすかった…ような気がします。笑
2009年当時、チェコでメジャーだったのは一番左のPilsner Urquell(ピルシュナー・ウルクェル)でした。
街中にも看板がたくさんありました。
で、二人でひたすら語り、いつか再会することを願ってお別れしました。そして、翌朝、私はデンマークへ、Hさんはドイツへ旅立ちました。なお、Hさんとはその後も日本で何度か会ったのですが、今は国際結婚し、ドイツに住んでいます。超・弾丸旅行で結婚式にも出席してきました。笑
あと、Hさんが留学していたマルタという国にも興味が出てきた私は翌年旅をしました。
本当は今年の夏にオランダへ行く時にドイツ経由にしてHさんに会うことを決めていたのですが、コロナのため航空券を泣く泣くキャンセルしました。Hさん曰く、ドイツはまだ気軽に観光できる状態じゃないようなので、また落ち着いたら会いに行くことにしています。早く会ってたくさんおしゃべりしたいなー。