#206 マルモッタンでモネの『睡蓮』を鑑賞してみた。 (2019.2)
#022、#205に続くモネシリーズ第3弾です。
パリにあるマルモッタン・モネ美術館は閑静な地区にある美術館で、名前にもあるように、目玉はモネ。ジヴェルニーのモネの生家にあった作品を息子ミッシェル氏が寄贈し、所蔵されています。特に、『印象・日の出』はここでしか見ることができません。
最寄駅はメトロ9号線(もしくRERのC線)のラ ミュエット(La Muette)。しかし、最寄駅と言いながらも、ここから10分弱歩きます…。
1番出口から出て、西に向かいます。芝生の広場があり、パリ名物ピクニックが行われてました。笑
こっちでいいのかなぁ?と、少し不安になるのですが、看板があって一安心。
進行方向左手に公園があります。この辺りは子どもの遊び場なのか、家族連れがたくさんいました。道に広がって、子どもたちが無邪気に遊んでました。土曜だったからかもしれませんが。
この突き当りがマルモッタン美術館のある、Avenue Raphaelです。
マルモッタン美術館に到着!入館料は11ユーロで、開館時間は10:00~18:00です。なお、ミュージアムパスは対象外ですので要注意です。
マルモッタンは2階建てで、クロークで荷物を預けられますが、なぜか上着は預かってくれませんでした。笑
美術館内にはモネの友人の作品ばかりが並びます。
カイユボットの「パリの通り、雨」や、
マネが描いた『ベルト・モリゾ』の肖像画もありました。ちなみに、マネとモネは活動時期が重なっているため、当時のフランスでも間違えられることがお互いにあった(私も表記の違いなだけで同一人物だと思っていたことがあります。笑)そうです。
しかし、モリゾ、美人だなー。このマルモッタンではモリゾの作品を80点も所蔵しているようです。
マルモッタン一族の肖像画かな?
Louis Carrogis氏の作品はとにかくかわいらしい。 フランス革命前の18世紀のフランスってきっとこんな感じだったんだね。
中世の宗教画の展示もありました。
これで1階も2階も全部見たけれど、モネの作品が一つもありません。まさか、他の美術館に貸出中なのかしら?学芸員のお姉さんに尋ねてみると「モネはミュージアムショップの奥にある階段を下りるとありますよ。」と言われました。
1階にあるミュージアムショップがこちら。この奥を進みます。なぜ、こんな僻地に…?笑
階段を下りると…『睡蓮』が出迎えてくれます。
こちらもオランジュリー同様、ジヴェルニーのモネの池を描いたと思われる絵が多く展示されています。
「Le pont Japonais(日本橋)」というタイトルの絵がありました。ジヴェルニーの池に架かっていた、緑色の橋のことです。オルセーのものとはまた違って色合いがいい感じ。しかし、この絵を描いた頃、モネは白内障を患い、色覚障害に悩まされていたのだとか。セザンヌが『素晴らしい眼』と絶賛したモネの色彩感覚は、赤や黄色が見えずに何もかもが青く見えていたからこそ、赤や黄色が強めに使われているのかもしれません。
『サンラザール駅』や、
チュルリー公園を描いたものもありました。
ルーアン大聖堂、発見!オランジュリー、オルセーに続き、本日3回目。笑
そして、いよいよ、ここの目玉。『印象・日の出』との対面。それは広い地下室の一番奥にありました。
やっと出会えました。モネ32歳の時の大傑作です。何て美しい朝日なのでしょう。フランスのル・アーブルという都市の港を描いたこの作品は、旅行前日にたまたま読んだ本に、この絵に関する説明があり、印象派の由来の絵であることを知りました。そして、アールブリュット、ルーブル、オランジュリー、オルセーに加えてマルモッタン美術館にも行くことを決めたのですが、大満足。正直かなり急ぎ足だったもののはるばる来た甲斐がありました。写真からはこの美しさは伝わらないかなぁ?これで、パリの美術館ミッションは完了です。
帰り道にパン屋に寄りました。フランスではブーランジェリー=Boulangerieの表示があるパン屋がおいしいそうです。なぜかというと、自分たちでパン生地を作っているお店しかBoulangerieと名乗れないからだそう。確かに、ここのクロワッサン、翌朝に食べたけれど、生地がサクサクで、味もバターの塩味が効いている中にコクがあっておいしかった!作りたてはもっとおいしいんだろうなぁ。チョコレート入のデニッシュも甘くなくて食べやすかったです。
そんな感じで、マルモッタン美術館ではモネの「印象・日の出」を鑑賞することができます。印象派のルーツの絵を見に、是非行ってみて下さい!