世界流離日記

『世界流離(さすらい)日記』と読みます。国内外の旅行での喜怒哀楽の経験を中心に投稿していきますのでよろしくお願いします。なお、このブログ上の画像の使用は禁止とさせていただきます。

#057 スロヴェニアで8月15日を過ごしてみた。 (2011.8.15)

日本では、8月15日と言えば終戦記念日ですが、キリスト教(カトリック)圏では8月15日は「聖母被昇天祭」という祝日です。

聖母の被昇天 - Wikipedia

 

 

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私は、8月15日にヨーロッパを2回訪れたことがあるのですが、祝日になると、本当にみなさんお休みされるのですね…。人がいない…。お店が閉まっている…。涙

 

 

ということで、その時の悲しい思い出を今日は書きたいと思います。

 

 

① 2007.8.15  in フランス

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この日はパリからモン・サン・ミッシェルへの日帰りバスツアーに参加しました。8月15日が祝日ということは予約の段階で知っていましたが、特にこの日にバスツアーを敢えて入れたわけではありません。フランス滞在はわずか2日で、翌日にイタリアに行くことになっていました。

 

 

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ツアーに含まれていた、名物ふわふわオムレツも食べました。個人的な感想ですが、コレって言うほどおいしいですかね?泡を食べているみたいでしたよ。世界のワ〇ベ氏を始め、芸能人たちがこぞって絶賛する意味が分からないです…。あと、モン・サン・ミッシェルの絶景(加工?)映像を見すぎて期待しすぎたのことと、修復中だったこともあり、それほど感動もせず…。

 

 

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バスツアーは17:00頃にシャンゼリゼ通りに到着しました。前日の8月14日が火曜日=ルーブル美術館が休館日だったため、パリ到着後に急いでルーブル美術館と向かいました。開館は18:00まで(2007年当時。2017年現在、水曜日は21:45まで開館)だから、少しは見られるはず…。

 

 

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と思ったら、閉館してました。そうです、ルーブル美術館は祝日でお休みだったのです…。逆さピラミッド(2007年当時、『ダヴィンチ・コード』が流行中)だけ拝んで、帰りました。私はその1年前にルーブルを訪問しているのでいいのですが、旅仲間Aはルーブルに入れないままイタリアに向かう羽目になってしまいました…。下調べ不足でごめんよー。

 

 

しかし、公式HPを見てみると、2017年8月15日は開館しているようです。たまたま2007年だけお休みだったのかしら?つまり、私たちの運が悪かっただけでしょうか…?号泣

開館情報と観覧料 | ルーヴル美術館 | パリ

 

 

祝日にモン・サン・ミッシェルに行ったのは偶然でしたが、8月15日をバスツアーで過ごすプランは正解だったと思います。と思ったら、4年後に散々な目に遭います…。

 

 

 

② 2011.8.15  in スロヴェニア
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スロヴェニアってどこ?って人のために簡単な解説をします。イタリアとクロアチアの間にある、ユーゴスラビアから唯一内戦なしで一番先に独立した国です。四国とほぼ同じ大きさで、首都はリュブリャーナ。通貨単位はユーロ。治安はいいです。

 

 
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私がスロヴェニアを訪れた理由は

ユリアンアルプス(特にクランスカ・ゴラという街=画像2枚目)を見たかった

②訪問国&パスポートのスタンプを増やしたかった

から。某歩き方に載っていた写真を見て行きたくなり、クロアチア周遊中に立ち寄ったのです。

 

例のモン・サン・ミッシェルの時の経験と反省を活かし、8月15日のバスツアーに申し込みました。もう『クローズ祭り』で嫌な思いをしないんだから!!

 

 

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私がスロヴェニアの首都、リュブリャーナ(Ljubljana)で利用したのはHostel Celicaという名前の宿。元々は囚人用の牢獄だったのをホテルにしたという、おもしろホテルです。シングル部屋&共同バス&トイレで当時の値段は1泊60ユーロ也。

 

 

f:id:mura306:20170815011033j:plainホテルの中は清潔だったし、スタッフも親切だったし、何より話のネタになるのでオススメの宿ですが、ホテルの裏がバーで、一晩中爆音が聞こえるのだけは少し気になりました。笑

 

 

クランスカ・ゴラ行きのツアーは8:00にホテルにお迎えが来ることになっていました。しかし、ホテル前で待っていても一向にお迎えが来ません。15分経っても来ないので、宿の人に事情を説明し、ツアー会社に電話をかけてもらいました。ツアーバウチャーに緊急連絡先が書いてあったのでそこにかけてもらったのですが、電話がなかなかつながりません。9:00くらいにようやくつながったのですが、電話先の相手は今起きた様子…。嫌な予感…。

 

 

宿のスタッフが、ツアーのお迎えが来ない旨を話してくれたところ、緊急連絡先の人がバス会社に問い合わせてくれることになりました。てか、緊急連絡先の相手は、ツアーの運転手や引率ガイドではなく、ツアー会社のスタッフの携帯電話番号のようでした。使えねぇ。怒

 

 

しばらくして、以下の連絡が来ました。

①あなたの名前が名簿になかった

②ツアーバスは既に出発してしまった

③明日のツアーに参加可能

④明日の朝、ツアー会社のオフィスに来てほしい

 

 

 

 

は?? 何言ってるの?

 

 

 

 

翌日の夕方にはスロヴェニアからクロアチアに戻る予定だったので、クランスカ・ゴラの一日ツアーには参加できないから返金してほしいと言ったら、返金はできないとのこと。とりあえず、翌日にオフィスに来て話すことになりました。部屋に戻り、恐らくかつての囚人もしていたように、ベッドの上で悔し泣きしました。私、何も罪を犯してないけど…。号泣

 

 

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気分を落ち着かせてから、首都リュブリャーナを散策することにしました。本当にこじんまりとした街なので、宿から徒歩で中心部に行けます。午前10時だというのに、この閑散さ。スーパーなどの店はことごとく閉まっていて、お水1本すらなかなか買えませんでした。服屋ももちろん閉まっています。我が旅の楽しみである買い物ができないのはキツイ。こうなると思ったから、8月15日に街にいたくなかったのに…。

 

 

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中心部にはさすがに人がいました。が、お店の半分くらいは閉まっていました。特にレストラン。

 

 

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朝市が行われていて、民芸品などを売っていました。でも、こじんまりとした市だったので、すぐに見終わってしまいました。

 

 

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青空市が普段は開かれているんだろうけども、この日はお休み。ほんと、ツイてない…。

 

 

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教会はミサでもやっているかと思っていたら入れました。が、耶蘇教徒ではない私にとって、ヨーロッパの教会は正直見飽きています。遂に見る場所が尽きました。

 

 

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リュブリャーナの町散策はほぼ終わってしまったので、某歩き方に載っていた日本料理店に行くことにしました。3週間近く旅していたし、外国で食べる日本食ってのを初体験したいと思ったのです。が、祝日は定休日!!どこまでもついていない…。

 

 

ちなみに、外国での日本食体験はこの5年後にしています。↓

 

 

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 ということで、宿近くの中華料理店(開店中なことは朝横を通った時に確認済)に行きました。そしたら、宿で会った中国人2人組に会い、「あれー?バスツアーに行ったんじゃないの?」と、今一番言われたくない言葉をかけられました。でも、事情を話したら一緒になって怒ってくれて嬉しかったです。謝々!!

 

 

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午後をどう過ごしたのかは正直よく覚えていませんが、昼食後に宿で昼寝して、夕方にまた中心部に歩いて行ったような記憶があります。だって、やることやり尽くしたんだもん。(今思えば、美術館とかに行けばよかったなぁーと思いますが。)

 

 

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当時のデジカメ画像を見てみたら、街中のウォールアートをたくさん撮影していました。本当に暇人だったんですね、私。苦笑

 

 

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夕食は、ゴスティルナ・フィゴヴェツ(Gostilna Figovec)というお店で。ここ、年中無休なんです。神様のように思えました。味もおいしかったです。

 

 

 

翌日9:00に、ツアーバウチャーに書かれていた会社に行きました。着いた途端、「この度は…」と謝罪を受けたのですが、これが着火剤となり、「昨日は散々だったよ!!ツアーには置いてかれるし、お店は全然開いてないし!ユリアンアルプスを見るためにスロヴェニアに来たのに、どーしてくれるんだよ!!!」と徐々に怒り心頭に発してしまいました。昨日1日分の不満が私の口からどんどん出てきます。

 

 

どうやら、日本のツアー会社からの連絡は伝わっていたようですが、名簿に私を入れ忘れたとのこと。ふざけんな!!!怒

 

 

その日の夕方にクロアチアに戻る予定だから返金してほしいと、ダメ元で言ったら「日本のツアー会社に返金してもらって下さい」と言われました。しかし、ツアーバウチャーには、日本のツアー会社A(今はV)は返金に応じないということが書いてあるのです。要はお互いに、押し付け合っている状態。

 

 

そしたら、「返金はできませんが、ブレッド湖に行く半日プライベートツアーでしたら、今から無料で準備できますが…。クランスカ・ゴラよりも値段が高いツアーです。」と言われました。彼女なりの、今できる最高の提案だったのでしょう。ブレッド湖スロヴェニア屈指の観光地です。

 

 

私はクロアチアでプリトヴィッツェ国立公園の湖群に行ったので今回はパスしようと思っていたのですが、返金のあてはないし、そもそもリュブリャーナでやることがもうないし、いつまでも怒っていても仕方ないし、お願いすることにしました。当初は昼食代が自己負担と言われましたが、そこは譲らず、昼食付きにしてもらいました。お姉さん、わがままでごめんなさい。笑

 

 

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30分後の10:00にホテルに車でお迎えに来ることになりました。ガイド兼ドライバーは、私と同い年のヤスミナさん。きっと私のせいで急遽休み返上になっちゃって申し訳ないと思っていたら、逆に仕事がドタキャンになったばかりでちょうど良かったとのこと。こういうのもだなぁ…と最近よく思います。

 

 

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30分ほどでブレッド湖に到着。ここでボートに乗って湖を渡ります。湖畔には蓮の花やハート型に見えるアジサイが咲いていました。

 

 

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ブレッド湖の大きさはゆっくり歩いて一周3時間ほどだそう。吉田栄作風の舟漕ぎのおじさまがダンディでした。笑 

 

 

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まず訪れたのが聖母被昇天教会ブレッド湖の真ん中にあります。ちなみに、今ガイドブックを読み直して知ったのですが、教会の裏にある山がユリアンアルプスとのことです。クランスカ・ゴラは見えないみたいだけど、ユリアンアルプス自体は見ていたんですね、私。笑

 

 

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鐘を3回鳴らすと願いが叶うと伝えられている鐘楼がありました。

 

 

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教会前で待っていた「吉田栄作」にボートを漕いでもらい、ヤスミナさんとボート乗り場に戻りました。 そこから車で対岸にあるブレッド城に向かいました。

 

 

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勾配の急な坂を上ると、ブレッド城の中に入れました。約100メートルの高さの断崖絶壁の上にたたずむブレッド城からは、先ほどまでいた被昇天教会が湖の真ん中にあるのも見えました。緑豊かでのどかな景色は、クロアチアのプリトヴィッツェとはまた違って新鮮でした。

 

 

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昔の印刷機を使って、入場記念証(8ユーロ)を作りました。バーをぐるぐると回して、溶かした蝋で刻印をして、いい記念になりました。

 

 

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昼食をとって、ツアー終了。ガイド兼ドライバーのヤスミナさんと写真を撮りました。とても親切な方で、出会えてよかったです。同い年なことと、海外旅行好きという共通の趣味もあり、話がとても弾みました。ヤスミナさんはツアー閑散期の秋に長期休暇をとり、海外旅行に行くのだとか。南インドのケーララ州がお気に入りみたいで、「いつか是非行ってみて!」と言われました。クロアチアで会った日本人Kさんからも、行ってきたばかりのインドの話をたくさん聞き、私はこの4か月後に初めてインドに行きました。私をインドに導いてくれた1人がヤスミナさんです。なかなかケーララには行けない(夏はモンスーンが沢山来るから今回も断念)けれど、いつか絶対に行ってみたいなぁ。

 

 

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バスターミナルでヤスミナさんとお別れし、クロアチアに戻りました。色々あったスロヴェニアでしたが、結果オーライで行ってよかったです。ただ、首都リュブリャーナは半日で廻れてしまう小さな首都なので、バスツアー等を利用してスロヴェニア郊外にも行くことを強くお勧めします特に、祝日は。笑