世界流離日記

『世界流離(さすらい)日記』と読みます。国内外の旅行での喜怒哀楽の経験を中心に投稿していきますのでよろしくお願いします。なお、このブログ上の画像の使用は禁止とさせていただきます。

#054 メルズーガ砂漠で野宿してみた。 (2010.6)

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2010年6月初旬頃に、メルズーガ砂漠に行きました。いわゆる、サハラ砂漠です。マラケシュからだとメルズーガの入り口まで車で一日半かかります。砂漠直通の公共交通機関もないし、日にちもないので思い切ってツアーに申し込みました。

 

私が申し込んだツアー会社はこちら。値段は張りますが、おすすめです。

マラケシュ発 メルズーガ大砂丘2泊3日 Ksour Voyages

 

そのツアーでは

  1. ラクダに乗って砂漠を移動
  2. 砂漠内のキャンプ地で宿泊
  3. 英語ドライバー&食事付き
  4. マラケシュin、フェズout

のプライベートツアーで、2泊3日でマラケシュ→ワルザザード泊→メルズーガ泊→フェズに渡るものです。ツアー代金は1名参加で約9万(2010年当時8700DH、1DH(ディルハム)≒10円)でしたが、なかなか来られる機会もないし、思い切って申し込みました。

 

2010.5.31 ツアー1日目

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まず、朝8:00にマラケシュのホテルにドライバーがお迎えに来てくれました。ドライバーの名前はオマルさん。日本語にすると若干幼稚な名前ですが、モデルのような細長い手足と驚異の視力をお持ちのおじさんでした。

 

 

ロッコでは、英語があまり通じません。なぜなら、モロッコでは英語は第4言語扱いだから。小学校でベルベル語(北アフリカの現地語)とアラビア語、中学校でフランス語を勉強し、大学でスペイン語か英語を習うとのこと。オマルさんは大学で英語を選択したらしいです。そして、オマルさんは観光客から教えてもらったからか、簡単な日本語も少し話せます。

 

 

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1日目は中間地点のワルザザートまで移動する日でした。アトラス山脈(オマルさん曰く、「箱根・いろは坂」)を越え、途中で山を横断する羊の群れを見ました。私にはヤギに見えたのですが、オマルさんが日本語で「ヒツジ」と言うのでヒツジなのでしょう。笑

 

 

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運転しながらも遠くにいる羊の群れを発見できるオマルさん、あなたはすごいよ。

(ちなみに、1つ前のヒツジの画像はこの画像を拡大したものです。みなさんはどこにヒツジの群れがいるかわかりますか?笑)

 

 

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オマルさんの視力には以後も驚かされます。「イグアナがいるぞ!」と言うのですが、この距離では私には全くわかりません。「あそこだ!」って岩の方を指してくれるけども、私には全くわかりません。「よし、じゃあ近くまでそーっと行くぞ!」と言っているうちに毎回逃げてしまいました。このようなやりとりが何回かあったのですが、残念ながら私は一度もイグアナを見ることができませんでした。

 

 

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恐るべし、アフリカ大陸の住民の視力。笑

 

 

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ちなみに、こちらはイグアナではなく、トカゲだそうです。残念!!

 

 

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こちらはリス。どこにいるかわかりますか?アフリカ大陸の動物は自然に同化した保護色になっています。

 

 

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昼食はタジン鍋でした。絶妙のトロトロ具合のスクランブルエッグがおいしかったです。とんがり帽子のような形状のタジン鍋には鍋蓋に穴が空いており、少量の水で調理ができるという、砂漠地帯ならではの工夫がされているのです。

 

 

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以降も、アトラス山脈越えは続きます。ふと目を覚ますと、目の前にヒツジがいたりしました。どこまでも続く岩肌の山々は壮大なのだけど、住んでいる人は大変だろうなぁ。

 

 

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その後は、映画グラディエーターや「ハムナプトラ」の舞台であるアイト・ベン・ハッドゥ(Ait-Ben-Haddou)に行きました。あそこの穴(画像中央)は「グラディエーター」で飛行機が抜けて行ったところだとオマルさんが説明してくれましたが、私はその映画を見たことがないのでよくわかりませんでした。撮影のためにわざわざ作ったセットがそのまま残っているようです。

 

 

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オマルさんは飛び石を使わずに、裸足で川に入ってそのまま渡っていました。笑

 

 

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茶色い土で作られた景色は非現実的で、SF映画の世界にいるようでした。日干し煉瓦で作られた建物が、青空に映えて、とても美しいです。こんな景色が世界中にはあるんだなぁ…。

 

 

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ベルベル人の民族衣装も絶妙な色合いがとってもおしゃれ。

 

 

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急に雨が降ってきました。この砂漠地帯では雨が降るのは珍しいようです。オマルさんが「今日は一日で四季があったよ。君はラッキーだね。」と言われました。

 

 

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ワルザザードに到着し、ホテルにチェックイン。某歩き方によると、このホテルの近くにレストランがあるようです。徒歩10分程度に見えたので、地図に従って歩きました。

 

 

しかし、どこまで行っても目的地のレストランTamdaがありません。周りの人に聞いてようやく到着しました。1kmくらいで到着するはずが、30分くらいかかりましたよ。「地球の迷い方」と揶揄されるのがわかった瞬間でした。頼むよ、某歩き方!怒

 

 

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そのレストランではラマダン明けに食べると言われるスープ、ハリラを食べました。帰り道の夕日が美しかったです。橋を渡る私に、車越しに挨拶をしてくれるのがとても心地よかったです。その前に行ったチュニジアでは必殺・ニーハオ攻撃に遭い、精神的にだいぶ苦しめられましたが、モロッコは私と相性がいいみたいです。

 

 

 

 2010.6.1 ツアー2日目

2日目はいよいよメルズーガまで380キロの旅だそうな。

 

 

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まずは、バラで有名なケラァ・デ・ムグーナに行きました。5月初旬にはこの小さな町でバラ祭りが行われるそうです。私が訪れたのは6月初旬だったので、ほぼ収穫済みでしたが、オマルさんが咲いていたバラを2輪探し出してくれました。日本のバラと比べて小さめですがかなり匂いが強く、まさにバラの香料の香り。バラ農家さんたちが収穫期にバラの匂いでぼーっとしてしまうというのも納得でした。バラで作られたお土産もたくさん売られていて、かわいらしい街でした。

 

 

その日も、イグアナを数匹見ました。 ハンター(オマルさん)は時速70キロで運転しつつも、右側(私側)にいたイグアナを発見しますが、とろい私には見つけられません。笑 改めて、アフリカ人の動体視力、おそるべし…。

 

 

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途中でアラビア語が地上に書いてありました。何て書いてあるのかをオマルさんに聞いたところ、「〇〇(私の名前)さん、いらっしゃい★」と書いてあると日本語で言われました。これぞ、ベルベルジョー。笑 だんだんオマルさんとの仲もくだけてきました。笑

 

 

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昼食は世界最小パスタ、クスクスチュニジアではトマト味のものを食べましたが、ここで食べたのはオリーブオイル味で食べやすかったです。ここでもタジン鍋で登場しました。

 

 

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昼食後の車窓にはラクダが目立ち始めました。「ラクダ注意」の看板も発見。砂漠に近づいている感じがします。

 

 

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砂漠が見えてきました。予想に反して黒い砂漠でしたが、方角によってその色が変わっていくのが不思議でした。

 

 

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そして、遂にメルズーガ砂漠の入口に到着。

 

 

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色は真っ赤で、燃えるような、エアーズロックのような色。実際の砂の色もそのままの色をしていました。

 

 

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テントまで出発前にロッジにて他の観光客と合流。ラクダも待ち構えてました。私以外に2組の日本人夫婦がいて、年も近いし、すぐ仲良くなれました。そして、5人でテントキャンプに向けてラクダで移動。

 

 

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ストールをベルベル巻き』にしてもらい、いざ乗馬…じゃなくて乗駝(そんな日本語あるのか?笑)しました。笑

 

 

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キャンプ地までは45分程の距離とのこと。ラクダの足跡と、どこまでも続くメルズーガ砂漠に残る砂紋がアートになっていました。人間が作った負の遺産だけど、ただただ美しいとしか言えませんでした。

 

 

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ラクダに乗るのは、エアーズロック以来で、降りるときにラクダが暴れて、なかなか降ろしてもらえなかったトラウマが…。でも、その心配は杞憂に終わり、落馬…じゃなくて落駝(ダジャレではありません。笑)することなく、無事にキャンプ場まで到着。 久しぶりの乗駝でしたが、やはりラクダの背中はごつごつしていて、45分の移動で股関節がやられました。前もウルル編で書いたような気がしますが、「ラクダは楽だ」は嘘だと思います。笑

 

 

↓私の人生初乗駝についてはコチラ。


キャンプ地到着後以降のことは②で書きます。