世界流離日記

『世界流離(さすらい)日記』と読みます。国内外の旅行での喜怒哀楽の経験を中心に投稿していきますのでよろしくお願いします。なお、このブログ上の画像の使用は禁止とさせていただきます。

#031 インド経由でブータンに入国してみた。前編  (2017.3)

f:id:mura306:20170622214124j:plain

今年の春に、幸福の国ブータンに行ってきました。目的は幸せ探しでも観光でもなく、ブータンのカリン(Khaling)という町で働いている友人に会うことと職場訪問でした。

 

 


f:id:mura306:20170624093516j:image
首都ティンプーのあるブータン西側が観光地として栄え、外国人が多くやって来るそうです。ちなみに外国人によるブータン旅行ではガイド同行と公定料金の支払い(一人あたり1日250米ドル!!一人旅だと1日290ドル!!)が義務付けられています。今回はガイドに案内してもらう観光地に行くわけではないし、正直高すぎると思ったのですが、この公定料金でブータンの自然やブータン人の生活が守られているのだと思うことにしました。

 


山岳信仰の残るブータンにはトンネルがほとんどなく、ぐねぐね山道を上っては下るという形で山越えをします。自然豊かなので、その山越えがひたすら続きます。

 

さて、ここでクエスチョンです。首都ティンプーからカリンまで車でどれくらいかかるでしょう?(♪ティレレレティレレレティレレレレー♪(世界ふしぎ発見のメロディ))

 

 


f:id:mura306:20170624093613j:image

ブータンは九州とほぼ同じ面積(九州を横向きにした感じをイメージして下さい)なので、ティンプー(佐賀)~カリン(鹿児島)なんて車で5時間くらいで着くと思えるのですが、なんとティンプー~カリンは車で3日かかるそうです。しかも、ひたすらぐねぐね道で山越え。笑

 

…。

 


と思っていたら、ブータン在住の友人から『インド経由だと半日でカリンに到着できる。しかも、インド側の道はまっすぐで快適らしい。私は使ったことないけどね。』という情報を手に入れました。

 

ブータンはビザが要る国なのですが、ブータンビザは旅行会社経由でしか取れないらしく、ガイドの手配や公定料金の支払いも含め、ティンプーにある日本人経営の旅行会社にお願いしました。日本で手配するよりも総合的に安くなりますが、ツアー代金をブータンの銀行に入金する手数料(3500円)や銀行に行く手間は増えます。

 

 

私たちが利用した某旅行会社は、インド経由でカリンに行った人が過去にほとんどいないらしく、情報を持ち合わせていませんでした。旅仲間Mさんが『インド北部ダージリン地方は外務省の危険レベルが2で、ゲリラがたまに出没するらしい』という情報をどこからか見つけてきたので、『インド経由でブータンに入るのは安全ですか?』と旅行会社に問い合わせてみたら『同じルートで行かれたお客様は無事に帰国されたので大丈夫だと思います。』という無責任な回答が帰ってきました。笑

 

ブータン在住の友人は首都に行くときにインド経由ではなく、3日かけて国を横断するそうです。どうやら、インドルートの利用が勤務先から禁じられているとのこと。その理由がゲリラで危ないからなのか、出入国を繰り返すからなのか、インド人がだましてくるからなのか、よくわかりませんが、1つだけ確かなことは、とりあえずカリンが僻地だということです。笑

 

公定料金(1日250ドル)にはホテル代、食事代、ガイド料が含まれています。

そこに追加料金で

バンコク~グワハティ(インド)の航空券代(一人545米ドル)

インド側のタクシー代(1台95ドル)

ブータンビザ代(一人40ドル)

観光税(一人10ドル。公定料金の中に含んでほしいよね)

国境出入国税(全員で800ドル。外国人からまだ搾り取るんかい。)

が入って合計一人20万弱。ちなみにブータン滞在は3泊4日です。個人旅行ばかりしてきた私にはありえない値段です。でもでも、ブータンで友人に会うということはプライスレスな旅行目的だし、私はそんなブータンに笑顔で大金を落としますよ、ええ。(半泣き)

 

日本~バンコクの航空券(タイ航空で往復53590円)も複雑なインドビザも自分達で取得し、準備は万端。

 

f:id:mura306:20170622060213j:image
友人へのお土産(日本食やお菓子などなど)を詰め込んだら私の荷物だけでこんなになりました。小さく見えるので一応言っておきますが、黒リモワは100L(最大サイズ)です。これでもお土産を分散させたので、他の旅仲間も大きなスーツケースをそれぞれ1つ持参しました。タイ航空も、ドゥルックエアーも30kgまで預けられてるので、楽勝でした。笑

 

 

この荷物を見て、誰が5泊6日の旅行だと思うだろうか。

 

 

3月18日朝 日本出国→昼 タイ入国

 

3月19日早朝 タイ出国

インド入国前にバンコクで半日軽く観光し、遊びすぎて若干睡眠不足のまま、朝6:50にバンコクからグワハティに飛びました。

 

 

f:id:mura306:20170621234943j:plain

ブータンにはドゥルックエアーという、国営の航空会社があります。ドゥルックとは現地の言葉であるゾンカ語で『ブータン』のこと。だから、尾翼にブータンの国旗がデザインされています。

 

 

グワハティ行きはバンコクから週2(毎週木曜日と日曜日発)で飛んでます。だからか、予約段階ではキャンセル待ちだったのですがその後無事に座席が確保されました。未発券のチケットも多いらしく、何だかんだで結局は席が取れるらしいです。

 

 

f:id:mura306:20170621235013j:plain

中はこんな感じ。片側3列ずつで、それほど大きい飛行機ではありません。 

 

 

f:id:mura306:20170621235114j:plain

ゾンカ語は全く読めませんが、インドのヒンディー文字に形が似ています。

 

 

f:id:mura306:20170621235249j:plain

機内食も出ました。中身はカレー。まぁ、普通でした。笑

 

 

 3月19日朝 インド入国

 8:05にインドのグワハティ空港に到着。グワハティは通過する街なのですが、ビザ上も入国書類上も4日間滞在する国。滞在ホテルの名前も調べて適当に書きました。入国審査官にヒンディー語で自己紹介したら喜ばれ、『グワハティで何をするんだ?』という質問に『まだ決めてないよ』って答えたら『グワハティはいいところだよ。○○とか行ったらどうだ?』とかなんとか言われ、笑顔で適当に話を合わせました。入国審査官のおじさん、騙してごめんなさい。それでも私たちはグワハティを捨て、ブータンに向かいます。笑

 

 

空港内の両替が9:00に開くので、少しだけルピーに両替しました。ちなみに、空港内にはお店がほとんどありませんでした。

 

 

インドを訪れたのはホーリー以来。(詳しくは#010をご覧ください。)


 

f:id:mura306:20170622210844j:plain

この間に500ルピーと1000ルピーのデザインが変わってました。そういえば、偽札対策で急に旧紙幣が使えなくなって、国中が大混乱になったんだっけ?

 

 

f:id:mura306:20170622211930j:plain

空港でブータン人ガイドコクトさん(ゾンカ語で卵という意味。あだ名のようで、ブータンでは同名が多いのであだ名で呼ぶことが多いようです)とインド人ドライバーBJ(一体何の略なんだ?笑)と合流し、ブータンにある国境の街、サムドゥプジョンカを目指しました。ちなみに、車にうるさい旅仲間T氏が車種を気にしていたので旅行会社に問い合わせたら日本車のバンだと言われたのですが、実際に空港に来たのはどう見ても日本車ではない4WD車でした。笑

 

 

f:id:mura306:20170622211448j:plain

後部座席にギュウギュウ詰めで座り、時々積まれた荷物が頭にガンガン当たる状態な我々3人に対して、ガイドは助手席でゆったり座るということに若干の疑問を感じつつ出発。笑

 

 

f:id:mura306:20170622211655j:plain

野良牛が闊歩する姿を見てインドにいることを実感。インド好きの私のテンションが急上昇します。笑

 

 

f:id:mura306:20170622212303j:plain

国境に行く途中でマーケットに寄ってもらい、インド土産を探します。

 

 

f:id:mura306:20170623232319j:plain

自体はほぼ通過だけども…。笑

 

 

f:id:mura306:20170622212240j:plain

サンダル売り屋台では、何故か鼻緒のみをやたらと売ってました。カスタムできるのかなー? 

 

 

f:id:mura306:20170621235611j:plain

ヘナが1つ10ルピーくらいだったかな?2つ買ったところ、1つは数時間後にブータンの気圧の高さにより小爆発を起こしました。自爆テロを起こすなんて、なんて恐ろしい子!!!ブータンに行く前にヘナを買うことはオススメしません。涙

 

 

なお、約5か月後に、この「自爆ヘナ」を使って、セルフヘナを施しました。



 

 

f:id:mura306:20170622212453j:plain

私の知らぬ間にインドでマスクが浸透してる!!5年前くらいだと、マスクを見て『何それ?』ってインド人が寄ってきたけど…。ということで感動して、思わず撮ってしまいました。笑

 

 

f:id:mura306:20170622212638j:plain

お茶っ葉屋さんの少年。インド人は目がキラキラしていて、綺麗な顔をしているよなぁ。それでいて、騙してくるのだけど。でも、なぜか憎めないのがインド人の魅力。この少年にはまっすぐ育ってほしいものです。笑

 

 

f:id:mura306:20170622212846j:plain

お茶っ葉屋さんの前で建築が行われていました。骨組が竹でできているのがインド流。ブータンでも、建築の仕事はインド人が担っていることが多かったです。

 

 

f:id:mura306:20170622213105j:plain

マーケットを出て、国境へ向かいます。 敏腕ドライバーのBJは時々対向車線をまたいで追い越します。ザッツ インディア!ノープロブレム!!笑

 

 

f:id:mura306:20170623232215j:plain

TATAが走っているのも、インドならでは。 

 

 

f:id:mura306:20170622215229j:plain

国境へ到着。インドの出国審査をします。

 

 

f:id:mura306:20170621235743j:plain

こんなカジュアルな格好の人が出入国審査官なのもインドだからでしょうか。ノープロブレム!!笑

 

 

f:id:mura306:20170622214457j:plain

出国審査はこんな感じ。国を守るお役所なのに、小学校の時にクラスに設置されていた落とし物入れに入っていた文房具(あるある:ボロいからか、持ち主がいつまでたっても名乗り出ないからどんどん貯まっていく)みたいな筆記具が使われていました。何か、色々と考えさせられます…。

 

 

f:id:mura306:20170622215342j:plain

無事に出国審査を完了したので、車で国境まで向かいます。ブータンはもうすぐ。

 

 

f:id:mura306:20170622215550j:plain

と思ったら、その国境直前にマーケットがあったので寄りました。

 

 

f:id:mura306:20170622215744j:plain

子どもが店番をしていました。テキパキと働いていてびっくり。なんだかなー。

 

 

f:id:mura306:20170622215652j:plain

そのお隣では、歯の抜けたおじいちゃんがスパイスを売っていました。3人ともスパイスを購入。しかし、ブータン到着後、旅仲間T氏は大量購入したスパイスの臭いテロに苦しむことに。さらに、それをブータンのどこかで紛失するという大失態。チーン。笑

 

 

以前インドに行った時に、ルピーで払うよりも米ドルで払った方がなぜかレートがよかった(ルピーだと200円くらいのところ、米ドルだと1ドル=80円で買えたことがある)という話を事前にしたので、旅仲間Mさんはスパイスをドルで支払い。

 

 

f:id:mura306:20170622220103j:plain

そしたら、なぜか集まってきたインド人たち。この後、目をキラキラさせながら、みんなで米ドルをまじまじと眺めていました。こういうインド人の好奇心旺盛なところが私は大好きです。欲望の赴くままに、生きている感じがいいなぁ。しかし、いっっっっっつも思うんだけど、君たちはどこからやって来るんだい?笑

 

 

f:id:mura306:20170622220752j:plain

ブータン入り寸前にインド人のかわいらしさに触れ、大満足。インド人は変わっていなかった。通常運転だった。笑

 

 

f:id:mura306:20170622221004j:plain

遂に国境を歩いて越えます。やたらとバリケードのある建物内を素通りします。

 

 

f:id:mura306:20170622221052j:plain

お姉さんの立っている、向かって右側がバリケードだらけの建物。超スムーズにブータン入りしました。

 

3月19日午後 ブータン入国 

 

f:id:mura306:20171003225612j:plain

少し歩くと入国審査が。インド同様、ゆるーいです。ガイドのコクトさんの所作が何か色っぽい。笑

 

グワハティ~サムドゥプジョンカまでは車で3時間。私たちはマーケットで寄り道をしたりしていたので、9:00過ぎにグワハティを出発して、国境に着いたのが13:30頃でした。

 

これで無事にインド経由でブータン入りできました。ここからカリンまでは車で5時間かかるそうです。インドの道路の感覚でいたら、車窓ではとんでもない光景が広がっていました。詳しくは後編で。