#023 パリで人力車に乗ってみた。 (2016.8)
ジヴェルニーのモネの家から戻った後に、パリを少しだけ散策しました。
パリに来るのは3回目。これまで「気取った街」だという印象が強かったパリでしたが、人々も優しくて居心地もよく、大好きな街になりました。私が旅慣れて余裕があることと、フランス語がわからなくても何とか片言のスペイン語でコミュニケーションが取れたからかもしれません。(同じラテン語系だからか、意外に通じたように感じました)
サンラザール駅からトロカデロ駅までメトロで向かい、エッフェル塔へ。
テロ対策で巡回する警察官の人数が増えていた気がします。せっかくのパリ日帰り弾丸旅行だし、一度も上ったことがなかったし、エッフェル塔に上ることになりました。
エッフェル塔はテレビ塔やナナちゃん人形(地元の観光名物)に似てるよねーって言いながら旅仲間T氏としゃべっていたら、エッフェル塔の手前で私がまさかの転倒。『大丈夫?』と声をかけ、起こしてくれたのはT氏ではなく、見知らぬ若いパリジャンでした。笑
本当に、漫画のように綺麗に転び、流血しました。号泣
ナナちゃん人形に似てるってバカにしたからか、エッフェル塔にはじかれました。2人とも今日1日で負傷したし、何となく上る気分じゃなくなり、やめちゃいました。笑
みなさん、エッフェル塔の悪口を言うと、バチが当たりますよ。笑
エッフェル塔を背に公園を歩いていたら、やたらと売り子の兄ちゃんがいました。彼らはエッフェル塔グッズを売っています。いくらなんだろうと思い、値段を試しに聞いてみたら、エッフェル塔のキーホルダーが2つで1ユーロでした。
兄ちゃん「2つで1ユーロ!」
私「3つだといくら?」
兄ちゃん「2ユーロ!」
私「じゃあ、2つで1ユーロなら、4つだと2ユーロだね。はい、2ユーロ。」
兄ちゃん「??? メルシー!」
計算ができない兄ちゃんでよかったです。笑
エッフェル塔前の公園を出たところで見慣れない乗り物を発見しました。サイクルタクシー=人力車じゃないですか。
世界には日本の人力車の進化形がたくさんあります。
インドのリクシャー、
ミャンマーのサイカー、
乗ったことないけど、マレーシアのトライショー、ベトナムのシクロ…。インドのオートリクシャーも好きだけど、私はやはり人力車が好きです。
てことで、シャンゼリゼ通りまでの値段交渉。2人で10ユーロで交渉したら、1人目には断られてしまいました。てか、既に値段表を持っていました。まぁ、結構な値段がするし、地下鉄で移動しようかと言っていたら
『10ユーロで行くわよ!』というお姉さん登場。英語がちょっと怪しいお姉さんだったので、1人10ユーロじゃなくて2人で10ユーロだとジェスチャーを交えて交渉成立。
そして、出発!
どうやら、ここからシャンゼリゼ通りは1kmもないらしいのですが、2人とも疲れていたし、いや、そもそもパリで人力車だなんて楽しそうだし、2人で10ユーロだし♪って感じで大満足。風を切って街を走るのが気持ちよかったです。
途中で凱旋門にも遭遇。人力車から見る眺めは格別でした。気分は平安貴族。
ふぉっふぉっふぉっ、苦しゅうない!!笑
とりあえずシャンゼリゼ通りのフレンチレストランで適当に降ろしてって伝えてあるのですが、本当に伝わっているのかが怪しい。お姉さんは何度も「シャンゼリーーゼ!!」と言ってくる。そして、急に「チャイニーズレストラン!パンダ!」と言い出した。イヤイヤ、私たちが行きたいのはフレンチですよ!そして、私たちは日本人ですよ!てか、パンダってなんだよ!
英語よりはと思って片言スペイン語や知っている限りのフランス語で伝えるも、伝わっているか怪しい。
『着いたわよ!!』
着いたのは… 中華料理店でした。嫌な予感的中。号泣
さらに、
「2人で10ユーロ?ノンノン、1人10ユーロ!」
・・・やられた。号泣
ここがインドなら怒鳴りあいの喧嘩をしていましたが、花の都パリで喧嘩をするのもなんだし、人力車が思いの外楽しかったので、素直に払いました。てか、お姉さん、英語がわからないふりをしていませんよね?笑
シャンゼリゼ通りを2ブロック程北に行った中華料理店で降ろされたので、結局自分たちでフレンチレストランを探すことに。笑
店員の制服がボーダーシャツのお店でフレンチを堪能しました。初めてのエスカルゴもなかなかイケました♪
オニオングラタンスープもおいしかったけど、量が多すぎだってば。笑
ちなみにこのレストラン、2017年4月に起きたシャンゼリゼのテロ事件現場のめちゃ近く(車線を挟んだ真向かい)ということがわかり、びっくり。あれだけパトロールを強化していても、やはり隙間をぬってテロは起きるんですね。
夕食後はシャンゼリゼ通りを歩きながらメトロの駅を探しました。そしたら、相方Tが再び発見してしまいました。
人力車を。笑
いや、私もその兄ちゃんには気付いていたものの話題にしなかったんです。さっき乗ったばかりだし、まぁいいやーって思ってたんだけど、あの太ももからして彼はパワーが違うにちがいないという、T的太もも理論を聞かされ、一旦素通りしたものの、わざわざ戻って値段交渉。笑
私たち「ポンピドゥーセンターまでいくら?」
兄ちゃん「1人で25ユーロ。2人で50ユーロ。」
私「2人で25ユーロは?」
兄ちゃん「遠いから無理。2人で30ユーロ。」
私「2人で26ユーロは?」
兄ちゃん「・・・。いいよ。」
いいんですか??
ほぼ半額に値切ってしまい、味方だと思っていたT氏からひどいだの鬼だのと言われました。
イヤイヤ、アンタがもう一度乗りたいって言うから交渉したったんじゃん。怒
でも、あとで調べたら、シャンゼリゼ通りからポンピドゥーセンターは距離にして約5km。5kmで26ユーロ。さっき乗ったお姉さんに払ったのは1km未満で20ユーロ。
お兄さん、ごめんなさい。号泣
この兄ちゃんは、初めこそ無言だったけども、途中から車窓案内をしながら走ってくれました。兄ちゃんも英語がそれほど話せる感じではなく、3人共通の言語がないので、色々な言語をMixさせながらのコミュニケーションが楽しかったです。兄ちゃんはロシア系フランス人みたいでロシア語が堪能のようなので、大学1年の時に必修科目で勉強したロシア語の挨拶を使ったら喜ばれました。まさか、あの寝てばかりいたロシア語の授業が役に立つときがパリで来るとは。笑
そして、ポンピドゥーセンターに無事到着。彼は値段をちょろまかすことなく、交渉料金で乗せてくれました。お礼に日本のお菓子(じゃがりこ)を贈呈。とても感じがよく、気持ちいい兄ちゃんでした。ちなみに、肝心の乗り心地はやはりスピードがありました。
まさか、パリで、しかも1日に2回も人力車に乗ることになるとは思いませんでした。日本では人目を気にして人力車にはとても乗れませんが、異国だと恥じらいがなくなり、ロイヤルファミリーのように街行く人に手を触れてしまうのが不思議です。笑
シャンゼリゼ通り周辺でこの兄ちゃんを見かけたら、是非乗ってくださいね!