#010 ベナレスで奇祭、ホーリーに参加してみた。 (2013.3)
東南アジアでは、4月中旬に水かけ祭りがあります。タイのソンクラーンとか有名ですね。
しかし、インドにはホーリーと呼ばれる「色水かけ祭り」が毎年3月の満月の日に行われています。映画「ガンジス川でバタフライ」でも、長澤まさみさんが参加しているシーンがあります。
インドに根強く残るカースト制度により上の身分の命令には絶対服従しなければならず、毎日悔しい思いをしている人々でも、神様が不在になるホーリーの日は無礼講。みんなで色水や色粉を掛け合うと言うのです。
2013年3月の満月の日は27日。デリーから入国し、アグラ―を経由しながら電車でベナレス(=バラナシ)に到着しました。
が、既に3月25日午後の段階でホーリーは既に始まっていたのです。
3月25日(ホーリー2日前)
水鉄砲はすでに売られているし、
色粉も売られてます。少年たちの体は既に紫色になっているし…。
タクシーの運転手さんにそのことを聞くと「ノープロブレム!早くからやるのは子どもだけだから!」と言われました。
てか、君たちインド人の言うノープロブレムほど信用できないものはないのですが。プロブレムだらけやんけ。
幸い色水をかけられることなく、3月25日の夜にアグラーフォート駅からベナレス方面へ。2月くらいには電車の予約をしようとしたのですが、その時点でバラナシ駅までのエアコン付き座席のチケットはソールドアウト。そのため、アグラーからベナレスを一旦抜けてムガルサライ駅まで夜行で行き、乗り換えてカーシー駅まで戻ることにしました。
エアコン付き3段ベッド(3A)で向かいました。夜中までどんちゃん騒ぎ。
♪ジャババキーーー♪
3月26日(ホーリー前日)
3時間半遅れでムガルサライ(Mughal Sarai)駅に到着。ローカル線でカーシー駅まで向かいます。
その時は電車が駅に停まった時に急にやってきました。
「ハッピーホーリー!!!」
子どもが外から水をかけてきました。幸い、私は全く濡れなかったのですが、旅仲間のIさんと近くで寝ていたインド人が被害に遭っていました。でも、色水じゃなくてよかったね。笑
一応、汚れてもいい格好をしていましたが、荷物が被害に遭うのは困る。しかも、相手は子ども。そして、インド人。ある意味、最強。涙
午前8時過ぎにカーシー駅に到着。
ちなみに、この駅、ホームからこんな感じで外に出ました。さすがインド、ノープロブレム!笑
オートリクシャーでゴードウリヤー交差点まで行きます。バラナシ駅からよりも近かったような気がする。
ゴードウリヤー交差点からは徒歩でガート近くの宿へ。色水に留意しながら、奇跡的に無傷で到着。荷物を置いて、最低限の荷物をビニール袋に入れてからカバンにしまい、サールナートへ行こうとしました。
そしたら、私たちの目の前で子どもたち発見。1人は水鉄砲、もう1人は水風船を持って構えています。その水の色は紫色。一旦立ち止まってみたものの、子どもたちだけで楽しんでそうだし、横を素通りしました。
その時です。
バッシャーーーーン!!!!
Iさんだけがまたしても被弾。しかも、口の中まで…。笑
私はその瞬間を見ていなかったのですが、Iさん曰く子どもたちはIさんを狙ったわけではなく、水風船を投げたら子供がよけて間接的にIさんに当たったようです。笑
サールナートまでオートリクシャーで向かう間の車窓からは
Iさん同様に被弾する大人の姿や
ヤギの姿がありました。笑
サールナートからの帰り道に色粉と冠を購入。(ダイソーの水鉄砲とゴーグルを持っていきました)
これでホーリーの準備万端!!!
前夜にはたき火をして、悪霊を取り払うそうです。
しかし、宿に帰ってから、やたらと気持ちが悪くなりました。夕食の高級カレーも全然食べられなかったし…。
と思ってるうちに、ホーリー前夜に「インドの洗礼」を発症。前回のインドでは平気だったのに…。
洗礼の原因はおそらくこの2つのどちらかor両方。
タージマハル前で飲んだ「茶色い氷で作られたラッシー」か、
寝台列車内で「インド人に分けてもらったカレー」か…。号泣
トイレの往復を繰り返しつつ、就寝。
3月27日、ホーリー当日。
相変わらず美しいガンガーから昇る朝日。
宿のベランダから外の様子をうかがいます。
ホーリーは既に始まっていました。笑
大人は顔にペイントをしたりしています。
この人↑が
こうなります。笑
普段は家事に追われているインド女性たちも水を掛け合っています。笑
下から声をかけられます。
「ヘーーイ、ガンジャやらない??」
ホーリーで神無となったインド男性は、ここぞとばかりに飲酒やガンジャを堂々としています。無礼講だからと言いつつ、女性の胸を触ってきたりするので要注意です。『やめて!』って言ってもかなり強引なので。
ホーリー前夜に体調を崩した私ですが、お腹に違和感を感じつつも何とか回復しました。色粉に水を足して色水を作ります。
この色水作りですが、マスク無しで行うと、ただ呼吸しただけで空気中に舞った色粉が鼻に入り、ビリビリしびれるので、マスク必須です。
どんな成分で作られてるんだか。色粉の工場で遊んでいた子どもが亡くなってるニュースもあるらしく、自然由来の色粉も出始めたらしいですが。
準備万端でいざ、外へっ!!
外にはカラフルなインド人がいっぱい。
トランプマンみたいな人がいっぱいいます。
カーストも関係なく楽しめるところがホーリーのいいところ。未来ある子どもの笑顔の可愛さは世界共通。
カラフルなホーリースナック。
絶対体に良くないんだろうけど、おいしくいただきました。
バッシャーーーーン!!!!
今回はIさんだけでなく私も被弾。
上からやられました。
インド女性は家のベランダから参戦。相手を攻撃できるけど自分には被害が来ないという、ある意味子どもたちよりも姑息。アンタらはドンキーコングかね。笑
だんだんカラフルになってきました。
正午になると神様が帰ってくるのでホーリーは終わります。もうすぐ正午。
遂にシヴァ神が馬に乗って帰ってきました。
ホーリー終了!
でも、時間にルーズなインド人だし、何だかんだで続くのかなー?って思っていたら、みんなびっくりするほどあっさりと去っていきました。笑
私とIさんの最終形態は…?
こうなりました。笑
この後、宿でシャワーを浴びるのですが、髪の毛と首元の赤色がなかなか取れませんでした。3日くらいは服の襟元が汚れました。(おかげで日本帰国後、未だに体調不良のくせに赤い顔と髪をした新入社員として、新天地で挨拶をする羽目になりました…。笑)
ガンガー沿いにある我が宿はドアを閉めて「鎖国」していました。オーナー兄弟は「ホーリーは嫌いだ。」と言ってたのですが…。
2人とも被害に遭っていました。笑
シャワーをさんざん浴びた後、ガートを歩きます。
ホーリー直後だからか、街のあちらこちらに色水が飛び散っています。ちなみに、インド人曰く、この色水の汚れは雨季のガンガーの増水でgone!だそうです。笑
インド人たちはガンガーでホーリーの汚れを落としていました。私たちもガンガーに入ろうとしたら「こっちへおいでよ!」とみんな言うので怖くて逃げました。ホーリー前後のインド人男性には要注意です。先述の通り、彼らは酔っぱらっていたり、ガンジャをやっていたりしているので。
人気の少ないガートを発見し、ガンガーに入ります。前回は足しかつけられなかったけれど、今の私は体調絶不調=これ以上悪くなることはないので病気を恐れず、安心して沐浴できます。
相変わらずガートはぬるぬるしていて滑りそうになりながら沐浴。これで私の穢れは取れましたかね?笑
あんなににぎわっていた街が嘘のように、本当に人が歩いていなかったです。みんな、疲れて寝てるのか?笑
そして、ゴミだらけの街。
色粉屋さんも閉店準備。次は1年後ですね。
街を歩いていると、前日のヤギ同様、「ホーリーアタック」を受けたイヌの姿が。
動物虐待ですね。
すると、衝撃の光景が。
神様も「ホーリーアタック」を受けてる。笑
誰だよ、神様に攻撃をする罰当たりな奴は!!!笑
そんなインドの奇祭ホーリーは毎年3月の満月の日に行われます。ウィキペディアでは、前夜から始まると書かれていますが、実際にはもっと早く始まっていますので、その時期に北インドを廻られる方は防水対策を。笑
童心にかえって楽しめるのでおすすめですよ。ただ、後始末はなかなか大変ですので悪しからず。笑